マッドハウスの作品はなぜ海外からも人気? 「よりもい」いしづか監督&中本Pに聞く【インタビュー】 3ページ目 | アニメ!アニメ!

マッドハウスの作品はなぜ海外からも人気? 「よりもい」いしづか監督&中本Pに聞く【インタビュー】

国内のみならず、世界に通用する作品を作り続けてきた制作スタジオ、マッドハウス。その魅力と活力の源はどこにあるのか。2018年に話題となり大ヒットした『宇宙(そら)よりも遠い場所』を送り出した中本健二プロデューサーといしづかあつこ監督に話を聞いた。

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――Tokyo Otaku Modeで募った海外のファンからの質問に「監督になった経緯を教えてください」というものがありました。いしづか監督は、もともと自主制作もされていましたが、どうしてマッドハウスに入社して、アニメの監督を仕事に選ばれたのでしょうか?

いしづか
元々私は学生の頃から、TVでやっているようなエンターテインメントを主としたアニメを作りたかったんです。
でも当時はアニメを作る仲間もあまりいなくて、自分ひとりで表現する方法を模索するしかなかったんですが、自分に描ける絵や表現方法で描かれたアニメは、どちらかというとアートアニメーションと呼ばれるものに近かったんですね。

当然ながら制作規模は小さく、長い物語を描く時間も技術もない。
私がやりたいのは、多くの人が子どもの頃からTVで観ていたああいうエンターテインメントなのに、私ひとりではそれを真似ることすら難しいと思い知ったわけです。

それがきっかけで、自分の作りたいエンターテインメントを実現するために、ひとりのアーティストではなくプロフェッショナルな集団の一員として、自分にできることを模索し増やしていく方法を探りたいなと思ったんです。
自分にできないことがたくさんあったからこそ、多くのスタッフで作り上げるアニメの現場に憧れたんですよね。


――みんなの力でみんなに届く作品を作りたいということですね。

いしづか
そうです。

――中本さんは「こういう作品を作りたい」というような気持ちを持ってマッドハウスに入られたのでしょうか?

中本
具体的にこういうもの、みたいなものは特にはなかったですね。素敵な作品に関われればそれでいい、ぐらいで。
自分は「こういう題材じゃないと、絶対面白くならない」と思う方ではなくて、「それが面白くできそうなら、やってみよう」と考えるタイプなんだと思います。

プロデューサーと言ってもひとりで考えて決めていくわけではありません。監督や脚本家の方と何度も打ち合わせを重ねて、構想を固めていくわけで、その過程でいろんな意見を出し合いながら、「それだったらこっちかな」とか、「こっちにいってみたらどうだろう」とか、作品はその積み重ねで進んでいくんです。
毎回そうというわけでもありませんが、なので最初は「それで面白くなるならやってみようか」でもいいのだと思います。

とはいえ『宇宙よりも遠い場所』(通称:よりもい)の企画の時は、非常に荒波に揉まれましたけれど(笑)。

――『よりもい』は、現在の「女子高生が南極を目指す」という内容に決まるまで紆余曲折があったそうですね。それは何が理由で企画を練り直すことになるのでしょうか。

(C)YORIMOI PARTNERS
いしづか
『よりもい』の場合は、女子高校生が頑張って成長していく物語をやるんだ、というのが骨格にありました。
だから、頑張った先に何があるかが重要で、キャラクターたちの最終的な未来像が見えるかどうかというのが物語を構成していく上でのポイントでした。

だから、企画を練っている時に、彼女たちの未来が見えなくなる瞬間が出てくると、「この子たちが目指しているのは、こういう物語ではないんじゃないか?」ということになって、もう1回キャラクターと向き合う作業に入ることになるんです。

中本
いろんな意見を出していって、最終的にはそのストーリーとキャラクターが映像にした時にストンと落ちるか落ちないか、ということになると思います。

そこを目指していろいろ話をしていくと「あ、それいい」とか「その要素は目指すものを描くためにはちょっといらないかも」みたいな意見を言い合ってより精度を高めていく、といった感じでしょうか。

いしづか
そうですね。意見をぶつけ合うというよりは、とりあえずテーブルの上に全部意見を並べてみて、それを私やシリーズ構成の花田(十輝)さんが持ち帰って考えてくる、という感じです。
《藤津亮太》
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