――映像面についてもお聞きしたいのですが、本作はとてもカラフルで美しい死者の国の街並みが印象的でした。インスピレーションを受けた作品などがあればお教えください。
モリーナ
ミゲルの故郷は平坦な土地に水平に広がっている町で、色彩も落ち着いていますが、死者の国にはそんな彼の故郷と対照的なものが欲しいと思ったのです。そんなイメージに合致したのが、実在の土地であるメキシコのグアナフアトという町でした。垂直的な町並みにビビットな色彩、迷路のような道といった死者の国の特徴は、グアナフアトからインスピレーションを受けた結果ですね。
――華やかな大通りと、ヘクターたちの住む汚い波止場のコントラストも印象的でしたね。
モリーナ
死者の国にも歴史が組み込まれていることを見せるために、建築物もいろいろと工夫をしてあります。建物が下の方に行けば行くほど古いもので、上に行けば行くほど現代的になっているんです。前コロンビア文明に作られたピラミッドのようなものが下にあって、上は現代的になっているといった感じですね。
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――歴史といえば、死者の国で使われているモニターが前時代的なブラウン管モニターだったので、そういえばこれも既に“死んだ機器”だな……と思いました。
モリーナ
機器にも死者の国のルールがあるんです(笑)。劇中、ママ・イメルダが使うコンピューターが今は誰も使っていない機種であることが象徴するように、死者の国で使われているのは死んだテクノロジーなんですね。
――では、最後に日本のアニメファンに向けて『リメンバー・ミー』の見どころについて一言いただければと思います。
モリーナ
日本のアニメファンのみなさんが、この映画を楽しんでいただければ嬉しいです。『リメンバー・ミー』は、ピクサーの中で技術的な部分でもパフォーマンス的な部分でも限界を突破しようと努力を重ねていった作品です。
観ている間は作品世界にどっぷりと浸かり、ご覧になったあとも末長くこの作品のことを忘れないでもらえたら嬉しいです。
『リメンバー・ミー』同時上映『アナと雪の女王/家族の思い出』
3月16日(金) 公開
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
(C)2018 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
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