第2部はヒーローショーや朗読会など盛りだくさんの内容となっていた。そのステージの司会を務めたのは、山寺宏一、日高のり子、関俊彦の3名。この3名といえば「バナナフリッターズ」のメンバーだ。1991年から1995年まで活動していたが、2016年に25周年を記念して待望の復活を遂げた。2017年にはニューシングル『あのね』が発売された。
そんな懐かしい顔ぶれの三人が集結し、ステージは和やかな雰囲気でスタート。その開幕を飾ったのは「シージェッター海斗ショー」だ。『シージェッター海斗』は、石ノ森章太郎のラフスケッチを元にしたという宮城県石巻市の地元ヒーローである。
このショーには生アテレコがあり、関智一さんと千葉一伸さんの二人がそれぞれシージェッター海斗とファリンクスを演じた。この生アテレコは昨年も別会場で行われ、関智一さんのアドリブがさく裂し、ステージを盛り上げていた。
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果たして一年を経た今回はどうなるのかと思ったが、やはり最初からアドリブ全開。関さんはシージェッターだけでなく、敵の下っ端であるミャーガノイドの声まで担当し、ボスの悪口を語りつくした。対するファリンクスはひたすらかっこよく演じられていたが、最後の最後で折れ、アドリブにアドリブで返すという意外な光景が。度々笑いに包まれていた会場も、さらに大きな笑いに包まれた。
続いて行われたのが「『おのくん』生朗読会」。『おのくん』は宮城県東松島市で誕生した靴下を使った作られた人形である。このチャリティーイベントのシンボル的なものでもあり、今回販売するために200体が用意され、全て完売したという人気っぷりだ。
その朗読に登壇したのは、古川登志夫さんと平野文さん。『うる星やつら』の諸星あたるとラムというファンにはたまらない組み合わせとなった。この二人が朗読したのは、『おのくんと。みんなでお祭りをしよう』という、『おのくん』の絵本シリーズの第三弾である。
朗読の物語はやよいちゃんという少女が悩んでいることからはじまった。その悩みをどうすればいいのかと身近な大人に相談し、おのくんをきっかけに自分から悩みに向かって歩み出すという内容となっていた。朗読では古川さんと平野さんが交互にナレーターを担当し、男性は古川さん、女性は平野さんが演じた。複数の役を瞬時に切り替えて演じている様子は圧巻だ。優しい物語の朗読に、会場のファンたちも聞き入っていた。
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それぞれのステージの合間には、「シークレット・トークション」という全て謎に包まれたトークとオークションも行われた。「シージェッター海斗ショー」の後では、二人の関さんがステージに登壇した事で、関智一さんが「きれいな方の関さん」と関俊彦さんを呼び、笑いが起こった。オークションでは私物や『シージェッター海斗』関連のものを出品し、盛況となった。
続く朗読会の後には、バナナフリッターズの三人と古川登志夫さん、平野文さんの5人が登壇。すると「ドキドキする」と平野さんが発言した。その真意は、高橋留美子作品に登場したメンバーが揃った事からだった。ファンからも「おぉ!」と歓声が上がり、懐かしい顔ぶれで懐かしいトークも語られた。こちらも私物や出演作品のものが出品されたのに加え、「落札者の耳元でささやく」というたまらないサービスも付くことになり、大盛り上がりとなった。
ステージの最後にはバナナフリッターズの三人がバナナの着ぐるみで登場し、『少年アシベ GO! GO! ゴマちゃん』の第2期のエンディングである『あのね』を披露。事前に日高のり子さんの振付講座があり、会場の全員で一緒に踊ることとなった。そうして全員で『あのね』を踊り、ステージは閉幕。2時間近いステージだったが、あっという間に感じられる内容となっていた。