日俳連チャリティーイベント 島田敏×高山みなみインタビュー 参加者全員で“感”じて“伝”える復興支援 | アニメ!アニメ!

日俳連チャリティーイベント 島田敏×高山みなみインタビュー 参加者全員で“感”じて“伝”える復興支援

インタビュー

毎年恒例になりつつある日本俳優連合主催のチャリティーイベントが、今年は10月15日に開催される。イベントには多数の声優・俳優が参加し、来場者はアーティストたちと会話や触れ合いを楽しめる。バザーや物産品の売場でアーティスト自ら品物を売り、会場には常に聞き覚えのある声が飛び交うという不思議な空間だ。
開催に向けて、今年は既に田中真弓、山口勝平を始めとした声優の参加が決定しており、公式サイトではチャリティーオークションなどの展開も始まっている。

2011年の東日本大震災をきっかけに始まった日俳連チャリティーイベントは、今年で6回目。イベント会社などを介さず、日俳連に所属するアーティストたちで作り上げてきた。その活動内容は想像を優に超え、運営だけでなく、物産品の仕入れや現地への訪問・打ち合わせ、ご当地ヒーローのオファー業務にまで至る。これをレギュラー番組を多々抱えている人気声優たちが行っているというから驚きだ。
手間をいとわず、アーティストたちが手作りのイベントにこだわるのにはどんな理由あるのだろう。実行委員長団のメンバーである、島田敏と高山みなみにお話を伺った。そこには復興支援にかける強い思いと、アーティストならではの「楽しんでほしい」という発想があるのだと知った。
[取材・構成=奥村ひとみ]

「日本俳優連合チャリティーイベント2017 東日本大震災・熊本地震 復興支援」
http://nippairen-charity.com

■手探りで始まったイベント作り

――最初に、日俳連チャリティーイベントが始まった経緯を教えてください。

島田
2011年3月11日に、東日本大震災が発生しました。当時、僕は日俳連の事業委員長をやっていまして、日俳連で何かできることはないだろうかという話になったんですね。そこでその年は役者の皆さんに寄付金を募って、日本赤十字社へお送りすることにしたんです。

――最初はイベントの形ではなかったんですね。募金はどうやって集められたのですか?

島田
担当者が仕事先のスタジオに募金箱を持っていって、皆さんから寄付金をお預かりしました。とはいえ、レギュラーの番組はメンバーはだいたい決まっています。なので、毎回同じ方からもらうのではなく、別のレギュラー番組を持っている人に募金箱を託すんです。こうしてスタジオからスタジオへ、募金のリレーを繋いでいきました。

高山
同じスタジオに募金箱が4つくらい集まっちゃう、なんてこともありましたね(笑)。ベテランの先輩方は、「こっちの募金箱だけに入れるのは申し訳ないから……」とおっしゃって全部に寄付してくださったり。

島田
1年目はその形でつつがなくやらせていただいたのですが、やってみて分かることが様々にありました。たとえば日赤という組織は、被害額がきちんと確定してから、それまでに集まった寄付金を分配するやり方を取っているんです。もちろん、いろいろな効率を図った上での手順なのでしょうが、額が確定するまでには何年も時間がかかってしまう。1年目を終えて僕たちが思ったのは、自分たちの身の丈に合う、目に見える形で復興を手伝いたいということでした。そんな思いから、翌年の2012年に第1回チャリティーイベントがスタートしたんです。

――そうだったんですね。2012年開催の1回目はどんな様子でしたか? 一番に思い出すことは何でしょう?

島田
本当に手探りで始めましたからね。当日のスタッフ(俳優・声優)のお弁当に対する考え方もバラバラでした。「チャリティーイベントをやりましょう」という総論は皆が賛成一致なんですが、細々とした各論になるとベクトルが違ってくる。いろんな人に頭を下げながら、「これはこの先、大変だぞ……」と思ったものです(笑)。

高山
最初の頃は、参加してくださる方にスタンスを共有してもらうのも難しかったんですよね。私たちはキャラクターの影にいるのが仕事ですが、それでもやっぱり役者という日の当たる存在でもあります。初めはスタッフに徹するという姿勢そのものに、戸惑いを覚える方もいらっしゃったんです。でも回数を重ねていくうちに、皆さん「こういうことなんだな」と分かってくださるようになってきて。参加者も毎年、増え続けていて嬉しいですね。それにこのイベントをやっていると、アニメなどの作品に付随したイベントに出演する時、裏方さんがどれだけ大変な思いをしてくれているか分かるようになるんですよ。そういう意味でも、私たちのいい意識改革になっているんじゃないかなと感じています。

島田
企画会社やイベンターの方にお任せしたら段取りよくやってくださるんでしょうが、このイベントは「自分たちで作ろう」と始めました。初めてのことばかりで、後になってみれば無駄だったねということの連続ですけど、なんとか継続してきて今回の6回目を迎えられます。

――自主的なイベントだからこそ、続けていくモチベーションをキープするのは大変なことだと思います。島田さんを奮い立たせているものは何ですか?

島田
実は1回目のイベントが終わった時、僕は2回目は無理だと思ったんですよ。打ち上げの二次会で心を固くして「来年はナシ! やらない!」と言ったら、高山さんに「何が一番大変ですか?」と聞かれたんです。僕が「応募ハガキの整理だ!」と答えると、「じゃあ私がハガキやります!」と。「えーっ!?」と思いましけど、そう言われてしまうと僕のほうがやめられなくなっちゃって(笑)。それがターニングポイントと言いますか、高山さんのあの一言がなかったら2回目以降はなかったでしょうね。

高山
ハガキの整理は一番大変ですよね。できるだけたくさんの人に参加してもらえるように、皆さんからのハガキは私が手作業で仕分けています。最初は仕分ける項目が3つくらいだったんですが、それが5つになり8つなり、年々細分化されて、項目番号が20を超えた時はさすがに私も混乱せざるを得ませんでした(笑)。お名前や住所を確認しながら一枚一枚、「近所のお友達の住所を借りてるんじゃないか?」と筆跡まで見ていますよ。もうすっかり仕分けスペシャリストです!

――イベントの応募ハガキが高山さんの手によって仕分けられていると知ると、俄然、送ってみたくなります(笑)。

島田
会場に行けないけど寄付はしたいという方向けに作った「ハガキで応援隊!」というのもあって、これは高山さんのご提案でしたよね。チャリティーイベントへの参加はすべて往復ハガキで受け付けているのですが、落選した方にはお返事を出さずに、その返信用ハガキを寄付金に換えさせていただいています。また当選狙いでなくても「ハガキで応援隊!」でご応募いただければ、寄付に参加ができる体制も用意しています。イベントに落選した人も、会場に来られない人も、気持ちは必ず繋がっていますので、是非たくさんの方に、まずはハガキでご参加いただけると嬉しいですね。

高山
必ず全部に目を通すので、すべてのハガキに私の指紋がついてますよ(笑)。ハガキの端っこに「整理、頑張ってください!」と応援コメントを書いてくれる方もいらっしゃって、すごく励みになります。毎年、頑張っています!
《奥村ひとみ》
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