8月7日、「第5回ハヤカワSFコンテスト」の最終選考会が開催された。選考委員による協議の結果、津久井五月の『コルヌトピア』と樋口恭介の『構造素子』が大賞に決定した。「ハヤカワSFコンテスト」は早川書房が主宰するSF小説の公募新人賞である。SFの分野では数少ない新人賞となっており、中篇から長篇までを対象としている。第5回の選考委員は東浩紀、小川一水、神林長平、早川書房編集部長の塩澤快浩が務め、大賞には津久井五月『コルヌトピア』と樋口恭介『構造素子』の2作品が選ばれた。『コルヌトピア』は植生型情報処理システム・フロラによって高度情報空間を構築した2084年の東京が舞台。フロラに関する事故の原因を調査する砂山淵彦は、研究者の鶲(ひたき)と仕事中に意識を失ってしまう。その時に見た不可思議な夢に導かれ、かつて同じ施設で育った嗣実を探す物語である。津久井五月は1992年生まれ。現在は東京大学大学院工学系研究科に所属している。第4回日経「星新一賞」学生部門にて『天使と重力』で準グランプリに輝いた経験も持つ。『構造素子』はエドガー・ロパティンがSF作家だった父・ダニエルの死後、残された草稿を目にする物語である。そこにはL7-P/V1のダニエルが開発したオートリックス・ポイント・システム、エドガー001について書かれていた。樋口恭介は1989年生まれ。早稲田大学文学部を卒業し、現在は会社員を務めている。受賞者には大賞として賞牌と副賞100万円が贈られ、受賞作は単行本および電子書籍で刊行される。選評は10月25日発売の「SFマガジン」12月号に掲載され、贈賞式は11月22日に行われる。
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