“アニメ映画の当たり年”が終わり、2017年も暦の上では春に入った。とはいえ、そのムーブメントを牽引した『君の名は。』はいまだ国内350館以上での上映が続いており、その興行は海外においても軒並み好調だという。 同映画は名実ともに新海誠監督の新たな代表作となったが、このヒット以前の新海監督といえば、やはり『秒速5センチメートル』の印象が強い。 “いつでも捜しているよ どっかに君の姿を”という歌詞が切ない「One more time, One more chance」に乗せて、惹かれ合っていたはずの男女に生まれていく距離感を緻密に描き出した同作が公開されたのは、2007年3月。つまり、間もなく10周年を迎えることになる。