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「あおおに ~じ・あにめぇしょん~」前田地生監督インタビュー「アニメでは毎回ゲームオーバーにしようと思いました」

「青鬼」をテレビアニメ化した『あおおに ~じ・あにめぇしょん~』の放送が10月よりスタート。アニメ!アニメ!は本作が初監督作品となる前田地生監督にインタビューの模様をお届けする。

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■前田監督のホラー原体験とフラッシュの結びつき

――ここからは、監督ご自身についてもお話を伺いたいと思います。テレビアニメ本編の監督をなさるのは本作が初めてとのことですが、実際にやってみていかがでしたか?

前田
スタッフワークとしては、僕がお話を全部作って動かすのはほとんど他の方にお任せしている状態です。濱村さんに「こういう感じでいいですかね?」と確認しながら進めました。やることがたくさんで大変だったというのが正直な気持ちです(笑)。冒頭でお話したようにWebアニメを配信していたり、テレビアニメのエンディングを監督したことはあったのですが、今回のようにちゃんと"監督"をやったのは初めてでしたね。キャスティングも監督がやるんですよって言われて「ああ、そうだよな」って。ラッシュ(※1)やV編(※2)まで参加することは、今まであまりなかったです。
※1 ムービーデータのチェック
※2 ビデオ編集。テロップを入れるなど、アニメを視聴者が見られる状態に仕上げる作業。

――監督ご自身は『青鬼』のようなホラー作品はお好きなんですか?

前田
実は、ホラーはあまり得意じゃないんですよ(笑)。サスペンスやミステリー、2時間ドラマや推理モノは好きなんですが、幽霊やエイリアンなど"自分があまり理解できないもの"が出てきてビックリさせられるような映画は、ほとんど見たことがありませんでした。

――そんな監督の"ホラー"原体験はどの作品になるのでしょうか。

前田
テレビで放送していた『リング』を見たり、友だちが学校に持ってきた日野日出志さんの『死人形の墓場』を読んだことはありました。脱出ゲームには何故か怖い要素が入っていたりすることが多いので、脱出ゲームの一部としてそういうものと触れてきたこともあります。原体験という意味では、映像作家として有名なぴろぴとさんが当てはまりますね。彼の作品は2002~03年頃からフラッシュアニメや実写などおそらく全て見てきましたが、ニコニコには『ニコニコ呪いの動画』、YouTubeでは『Username 666』というタイトルでアップされている動画が特にヒットしました。ぴろぴとさんとは長い付き合いで、当時まだニコニコのユーザー数が少なかったので「YouTube版も作った方が良い」とアドバイスして『Username 666』ができたのを覚えています。ほかにも『赤い部屋』や『こ~こはど~この箱庭じゃ?』など、フラッシュで有名なホラーを大学生の頃に楽しんでいました。


――『青鬼』のヒットを語るには、ニコニコ動画の"ゲーム実況"の存在が欠かせないと思います。監督はゲーム実況についてどう思われますか?

前田
ゲーム実況、僕は好きです。自分は元々、ニコニコ動画開設当時からのユーザーでアニメーションやモーショングラフィックスを中心に様々な映像をずっと見ていたんですね。ニコニコ動画はサムネイル画像1枚のインパクトが重要な世界なので、『青鬼』の実況動画はどれも青鬼の顔を映すんですよ。「何だこの気持ち悪いのは」と思いましたけど、最初は見ていませんでした。その後、ゲーム実況の動画ばかりを漁っていた時期があって、ボルゾイ企画さんの動画に出会った。

――『青鬼』実況動画の火付け役になったグループですよね。

前田
2009年に公開されたボルゾイ企画さんの動画がものすごくヒットしたんですよ。それから『青鬼』実況動画が一気に増えて広まっていったのですが、その中でゲームを高速化させてプレイする実況動画も出てきていたのですが、2012年に最終兵器俺達(※)さんが公開した「超高速青鬼」という動画でもう一度大きくヒットする。僕もひとりのユーザーとして見ていて、面白いなと思ったのを覚えています。
※キヨ、こーすけ、フジ、ヒラの4人からなる人気のゲーム実況者チーム。


――最後に、「これだけは推しておきたい!」というポイントはありますか?

前田
フラッシュアニメは「あまり動かない、動いてもしょぼい」と思われがちです。そうじゃなくて、そういう作品はそれが面白いと狙ってやっている訳です。フラッシュはあくまでツールであって、簡単お手軽手抜きアニメではないということを伝えたいですね。

――読者や放送を楽しみにしている方たちへメッセージをお願いします。

前田
原作側からのNGもなく、好き放題やらせてもらったので、放送を見て「こんなの『青鬼』じゃない!」と思う方もきっといると思います。原作ファンが知らなかった、意外とかわいい青鬼の一面が見られるかも知れないよ。『青鬼』好きな人たちが噛み砕いてアニメ化したらこうなったよ、という気持ちです。『青鬼』を知らなかった人たちがアニメを見て、ネットで検索するきっかけになればいいなと思っています。また『青鬼』ブームが起こって、コミケやニコニコ超会議では青鬼のコスプレが見たい!

――本日はありがとうございました!

『あおおに ~じ・あにめぇしょん~』
(C)noprops/アニメ「青鬼」製作委員会
テレビ東京:10月2日から 毎週日曜深夜3時5分~
BSジャパン:10月9日から 毎週日曜深夜2時35分~
《キャプテン住谷》
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