「ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日」 壮大なる父と子の物語【夏に見たいアニメ、この一本】 | アニメ!アニメ!

「ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日」 壮大なる父と子の物語【夏に見たいアニメ、この一本】

レビュー

『ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日』。こんな真夏の暑い最中に観て頂き、さらに魂を熱く燃焼させて欲しい!と勝手に思い、この作品を推させてもらいます。

『ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日』は1992年に監督に今川泰宏さんをむかえ、全7話のOVAが6年がかりで制作された作品です。スター・システムによって、ジャイアントロボ以外にも『仮面の忍者 赤影』や『バビル2世』、『三国志』など横山光輝さんの作品のキャラクターたちがオールスターで登場します。

ロボットものの王道通り、本作の主人公草間大作は自らの父から強力な兵器であるジャイアントロボを託されます。『マジンガーZ』風に言うなら、彼は弱冠12歳にして神にも悪魔にもなれる力を得たことになるわけですが、緊急避難的に説明もロクに受けずに父から授けられたこの巨大な力に、大作は時に驕り、時に悩みます。
そんな彼を導くのが共に戦う国際警察機構のエキスパートたちであり、立ちふさがるのが敵対組織であるBF団のエージェントたちです。

このエキスパート、そしてエージェントたちは強い。とにかく強い。特に国際警察機構の九大天王やBF団の十傑集は作中でがっつりとロボと戦ってはいませんが、とても勝てるビジョンが浮かばないくらいの強さです。そんな彼らが強い味方として、強い敵として大作と関わるのは親子関係のメタファーではないかと個人的に考えます。
息子からすると父親というのは、頼りになる味方であると同時に巨大な壁でもあります。悩んだ時は手を差し伸べてくれるし、驕った時は叱りつけてくれる。本作は父親不在ながら、見事に父と息子の物語を成立させています。

また、本作はロボットものであると同時に、今川監督特有のダイナミックな演出と外連味たっぷりの超人活劇でもあります。足掛け6年かかっただけあってそのクオリティは秀逸で、個人的には十傑集のひとり、素晴らしきヒィッツカラルドがみせる驚愕の必殺技はアニメ史に残るもので、必見の内容となっています。
出てくるキャラクターたちの年齢層は高く、美形なキャラクターはほとんどいません。しかし、そんなむさ苦しいおじさんたちがみせる熱い生きざまはきっと胸に残り、観終わるころには彼らのことをかっこいいと思える、そんな一作です。

続編は残念ながらいまだ制作されていませんが、漫画でパラレルですが続編に近い形の物語も刊行されています。こちらも併せて是非。

▽プロフィール
尾花浩介
シナリオライター、ライター。福岡出身。同人作品やゲームシナリオをメインに活動中。ライティングの修行は2016年より開始しています。
《尾花浩介》
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