「インデペンデンス・デイ:リサージェンス」ローランド・エメリッヒ監督インタビュー 破壊される建物に込めた意図とは? | アニメ!アニメ!

「インデペンデンス・デイ:リサージェンス」ローランド・エメリッヒ監督インタビュー 破壊される建物に込めた意図とは?

インタビュー

『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』ローランド・エメリッヒ監督
  • 『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』ローランド・エメリッヒ監督
  • (C) 2016 Twentieth Century Fox Film Corporation All Rights Reserved.
  • 「インデペンデンス・デイ:リサージェンス」ローランド・エメリッヒ監督インタビュー 破壊される建物に込めた意図とは?
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1996年公開のSF映画『インデペンデンス・デイ』はエイリアンによる地球侵略という王道ストーリーを壮大なスケールで映像化し、本国アメリカでは興行収入1億ドルの最速記録を更新。日本でも興収106億円の大ヒットを叩き出した。巨大母船によってホワイトハウスが破壊されるスペクタクル・シーンは、今でも多くの観客の目に焼き付いている。
それから20年の月日が経過し、再び襲来したエイリアンとの戦いを描いたのが『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』だ。7月9日の日本公開を控え、自身初の続編に挑戦したローランド・エメリッヒ監督にお話を伺った。
[取材・構成:高橋克則]

■世界中のランドマークを破壊する理由

――『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』は前作から20年後の2016年を舞台にしています。『インデペンデンス・デイ』の制作時から続編について考えていたのでしょうか?

ローランド・エメリッヒ監督(以下、エメリッヒ)
『インデペンデンス・デイ』は完結した一つの物語であって、続編を製作する意図はまったくありませんでした。私は続編というものが大嫌いなんです。もし同じことを繰り返すのであれば撮らない方が良いに決まってますからね。
『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』の製作を決断したのは、前作の公開から長い時間が経過しているため、新しい世界を創り出せるのではないかと考えたからです。次の若い世代にバトンを受け渡すことで、前作とは異なる作品を生み出せるのではないか。その想いが続編を手がける上では非常に重要でした。

――『インデペンデンス・デイ』はアカデミー視覚効果賞を受賞し、以後の映像表現に多大な影響を与えました。とりわけ映像面で新しいことに挑むのは困難な作業だったように思えます。

エメリッヒ監督
前作の時点でかなり大きなことをやり尽くしてしまったんだなと痛感しましたよ(笑)。続編には何が必要なのか悩んでいたとき、直径3000マイル(約4800キロ)もあるマザーシップが地球に降り立ったらどうなるのだろうかと閃いたんです。前作の3倍以上のサイズのため、マザーシップはアメリカ全土を覆うだけではなく、複数の大陸を跨がることになります。まるで巨大な蜘蛛が地球を覆ってしまったようなイメージが頭に浮かんだことで、アイディアが次々と膨らんでいきました。やはり誰も見たことがない映像を作りたかったんでしょうね。

――本作ではイギリスのビッグ・ベンやタワーブリッジをはじめ、世界中の建築物が壊されていきます。監督は『デイ・アフター・トゥモロー』や『2012』でも破壊の限りを尽くしましたが、どの建物が犠牲になるのかを決めるポイントはあるのでしょうか?

エメリッヒ監督
スクリーンに映った瞬間、どこに存在する建物なのか分かることが決め手です。つまりごく普通のビルではなく、誰もが知っているランドマークを襲わなければならないのです。都市のシンボルのような建物であれば、現地の住人も知っているし、その前で写真を撮った観光客も大勢いるでしょう。多くの人々が思い入れを持つランドマークを壊すのは、観客の心を直接揺さぶるのに等しい行為です。
それに何かを破壊することにはアイディアや意図が伴います。ただ無闇に壊している訳ではないんですよ(笑)。今回のマザーシップは重力によって地表のあらゆるものを吸い上げていき、最終的にはアジアの建築物をヨーロッパの頭上に叩きつけます。それは視覚的な効果を狙っただけではなく、現在の世界情勢に対しての皮肉でもあるんですよ。

――破壊シーンにも自らの考えを込めるというのは、本作に限らないことですか?

エメリッヒ監督
はい。最も欠かせないのは世界観の中で自分の意見を表現することです。作品を創り出す上でそれが一番の楽しみですね。娯楽作品であることはもちろん大事ですが、同時に私的な考えなども盛り込んでいきます。
たとえば本作にはゲイのカップルが登場しますが、映画のキャラクターたちはそのことには触れず、当たり前のものとして受け入れています。それは無言という表現で彼らを肯定しているんです。物語に直接関わってくることではありませんが、そういった描写は自然に入れるようにしました。

――ちなみに日本の建物で壊してみたいと思ったものはありますか?

エメリッヒ監督
東京は大好きな都市なので訪れるたびに良い建物はないかと探しています。でも東京はとても広くて、まだ見つかっていませんね。今回の来日でユニークな建物に出会えればよいなと思っています。

――前作から20年の月日が経過しました。作品世界と同じように私たちが住む現実の情勢も様変わりしています。それは映画にどのような影響を与えましたか?

エメリッヒ監督
『インデペンデンス・デイ』が公開された1996年は、今とは全てが異なる社会でした。2016年から振り返ればみれば、より単純だったと言えるでしょう。『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』は前作の戦争を受けて、人類が一つになって復興したというバックボーンがあります。世界が分裂している状況において、人々が再び団結することの大切さを示しました。

――監督の人生において「インデペンデンス・デイ」=独立記念日のように重要な出来事は何でしょうか?

エメリッヒ監督
1994年に公開した『スターゲイト』がヒットしたことですね。『スターゲイト』は長年温めていた企画でしたが、ハリウッドでは相手にされず、フランスの製作によって完成にこぎつけました。誰もヒットするなんて予測していなかったんですよ。でも自分が信じ続けた作品によって成功することができた。私にとっての独立記念日は『スターゲイト』そのものだと思っています。
その後、様々な映画会社が『スターゲイト』にそっくりな企画を持ってきましたが、私はすべてを断りました。そして新しいアイディアから生まれた『インデペンデンス・デイ』を撮ったんです。自分のアイディアを信じて大切にすることが何よりも大事なことなんですよ。

『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』
7月9日(土) TOHOシネマズ スカラ座他全国ロードショー
配給: 20世紀フォックス映画
(C) 2016 Twentieth Century Fox Film Corporation All Rights Reserved.
《高橋克則》
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