2015年の世界映画市場は約4兆2000億円超 前年比5%増、中国の急成長が牽引 | アニメ!アニメ!

2015年の世界映画市場は約4兆2000億円超 前年比5%増、中国の急成長が牽引

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米国の映画業界団体のMPAA(米国映画協会)は、この4月にラスベガスで開催されたCinemaConに合わせて「Theatrical Market Statistics 2015」を発表した。2015年の世界と北米(米国/カナダ)の映画興行市場を明らかにした。また北米における観客動向を分析している。
MPPAによれば、2015年の世界の映画興行の売上げは383億ドル(約4兆2600億円)に達した。これは2014年比で5%の増加となる。市場の拡大を牽引したのはアジア・太平洋地域で、前年比13%増だった。なかでも中国の急成長が目覚ましい。
また、全世界のスクリーン数も増加している。2015年は15万2000スクリーンとなる。こちらは前年比8%増で、全体の96%がデジタル対応済だ。映画興行のデジタル化はほぼ全世界に行きわたったと言っていいだろう。

世界市場での大きなトピックは、やはり中国の急成長である。2015年の映画興行収入はドル換算で68億ドル(約7600億円)と49%成長となった。これはアジア・太平洋全体の半分近くに達する。2015年の世界最大の市場は依然北米で111億ドル、第2位に中国がつけ、両地域が他国を大きく引き離している。
MPPAの調査では3位は英国の19億ドル、日本は18億ドルだ。その後はインド16億ドル、韓国15億ドル、フランス14億ドル、ドイツ13億ドルと続く。映画興行市場の大きさは必ずしもGDPの大きさに比例していないことが分かる。とりわけ日本がその経済規模に比べて映画興行市場が弱く、ドイツも同様だ。これは両国が世界的には映像ソフト(Blu-ray/DVD)市場が依然強いことも関係あるかもしれない。一方で、韓国の映画興行の強さが注目される。

「Theatrical Market Statistics 2015」は、北米市場についてより詳しい調査を明らかにしている。2015年の北米市場は堅調だった。興行収入111億ドル(約1兆2400億円)は、前年比8%増、年間110億ドル越えは史上初である。2000年の75億ドルより、緩やかな上昇傾向が続く。これは国民一人当たり換算の映画館入場数が多い国民性に支えられているとみられる。近年低下傾向にあるもの北米では一人平均年3.8回と映画が身近なことが理由である。
全体に日本の映画興行と比較すると、同じマーケットであっても、かなり特徴が違うことが分かる。例えば2015年の日本の国民一人当たりの映画館来場数は1.3回、北米は3倍にもなる。一方で北米の2015年のチケット平均価格は8.43ドル(約944円)、日本に比べると30%ほど低い。ただし近年は上昇を続けており、10年前の1.3倍と次第に日本の水準に近づきつつある。
さらに日本と大きな違いを見せるのは、北米市場が若い世代に支えられていることだろう。最も映画に足を向ける世代は12歳から17歳(7.3回/年)、次いで18歳から24歳(年5.9回)である。

ただし、こうした来場者は、巨大な製作予算を投じた大作映画に集中しがちだ。2015年に北米で最もヒットした映画は『ジュラシック・ワールド』の6億5230万ドル、続いて『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の6億5200万ドル、『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』の4億5900万ドル。10位の『シンデレラ』までの上位10作品の合算で38億5300万ドルとなり全体の1/3以上を占める。
また2015年に北米公開された劇場映画708本であった。これは市場規模が1/6の日本の2015年の公開本数1316本(日本映画製作者連盟発表)を下回る。ここからも北米の映画興行がより多くの観客が見込める作品にフォーカスしていることが分かるだろう。
[数土直志]
《animeanime》
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