本編上映後、早稲田大学基幹理工学部講師の元村直樹を進行役に、壇上に押井守監督と鈴木敏夫プロデューサーが姿を現すと大きな拍手が送られた。 まずは本作が完成に至るまでの簡単な経緯が語られた。『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』制作後に当時のバンダイ映画部門から巨額の予算で「大作を作って欲しい」とオーダーを受けた押井はデジタルエンジン研究所を立ち上げ『ガルム戦記』というタイトルで制作を進めた。3年でシナリオ、コンテ、ロケハン、パイロット版制作などを行った後、諸般の事情で中止命令が下り、制作は暗礁に乗り上げた。 諦めきれなかった押井は構想を温め続け、ある時期に企画を改めて出したところ予算が通ったのだという。それもカナダとの合作、カナダロケ、キャストは全てカナダ人、完成までの全行程をカナダで行うという条件付き。完成した映画は北米、ヨーロッパで順次公開を終えるも、日本での公開に辿り着けないまま。そこでProduction I.Gの石川光久社長とスタジオジブリの鈴木の協力があり、公開へと至ったということだ。