制作は「アイス・エイジ」シリーズでも知られるブルー・スカイ・スタジオで、日本語吹き替えを鈴木福、芦田愛菜ら人気子役が担当。この冬、家族や友人と鑑賞するのにぴったりの作品だ。
制作の指揮を執ったスティーブ・マーティノ監督に、作品の魅力について聞いてみた。
[取材・構成:川俣綾加]
『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE』
2015年12月4日(金)全国公開
──原作コミック『ピーナッツ』は、チャールズ・M・シュルツの独特のペンタッチがとても味わいのある作品です。今回の作品はそれを3DCGアニメーションにするといことで、難しさは感じましたか?
スティーブ・マーティノ監督
ペンタッチはとても大切になると私も感じました。チャールズ・M・シュルツさんのミュージアムに足を運び作画しているムービーを見ましたが、1本1本の線を非常に大切にしていて。そこから魔法が作り上げられているので、それをないがしろにしてこの作品はありえないと思いました。
CGなので原作とは異なり、ライティングやテクスチャ、奥行きが表現されていますが、チャーリー・ブラウンやスヌーピー、仲間たちを描く本質はペンタッチにある。それを忘れずに制作したと、作品から感じ取っていただけると思います。
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──スヌーピーはたくさんのグッズや本が売られていて、作品が生まれて65年も経つ現在でも愛され続けています。その理由をどう捉えていますか。
スティーブ・マーティノ監督
スヌーピーというキャラクターは、全ての映画スターの要素を兼ね揃えています。アクションヒーローであり、ウッドストックとスヌーピーは『ローレル&ハーディ』のようなコメディアンでもあり、クールにキメることもできる。シュルツ自身の言葉でもありますが、スヌーピーは“自分がなりたかった全てを備えている”キャラクター。一番おかしくて、一番かっこいいヒーローなんです。
──CGを細かく見ていると、髪の毛はひとかたまりに見えて実は1本1本繊細に作られていたり、スヌーピーの鼻は本物の犬の質感のようだったりと、3DCGならではの楽しみもありますね。
スティーブ・マーティノ監督
3CGアニメーションなので、質感など独自の味付けができると思いました。一方で、実は目を細めて見てみるとオリジナルの絵そのままが見えてくるんです。つまり、テクスチャはリアルに表現されているけれど、目を細めるとシンプルな黒い点や線としてちゃんと捉えられるんです。3DCGの質感があまりに目立つと原作と全く異なる作品になってしまうので、バランスがとても大切でした。
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──興味深かったのが、ピッグペンがまとっている土埃は、3DCGになったことで原作通りながら斬新な表現になっていたなと思います。観ていて笑ってしまいました。
スティーブ・マーティノ監督
あの土埃は、シュルツの描いた線をスキャンしてコンピュタで取り込んでからCGにしているので、オリジナルとのつながりがちゃんとあって、かつ奥行きが出ました。ぜひそこもみなさんに見て欲しいですね。
──日本の観客にメッセージをお願いします。
スティーブ・マーティノ監督
とにかく、映画を観て楽しんで、笑って、そして何か感じ取って欲しいです。チャーリー・ブラウンとスヌーピーの関係は本当に優しくて、最後にはウルッときてしまう。アクションがあって、エキサイティングで、笑えて泣ける。いい映画の要素が全てこの映画に詰まっています。
──ありがとうございました!
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『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE』
2015年12月4日(金)全国公開