『攻殻機動隊』の世界は夢でないとの前提に、シリーズで描かれている未来のテクノロジーや世界観の実現を目指すプロジェクトが進んでいる。「攻殻機動隊REALIZE PROJECT」だ。11月7日には神戸ITフェスティバル2015にて、本作の主人公・草薙素子並のハッカーが集まるイベントが開催された。国内初の女性限定ハッキングコンテスト「攻殻機動隊 REALIZE PROJECT × SECCON CTF for GIRLS」(攻殻CTF)である。さらに当日は「攻殻機動隊の世界をリアルに! 公開ブレスト《電脳(人工知能・ネットワーク・ソフトウェア)編》」も開催し、シリーズに代表される未来型テクノロジーの進歩について語られた。「攻殻CTF」の目的は、草薙素子のような高度な技術力を持つ女性を輩出することだ。IT分野で傑出した能力を持つ女性参加者が全国から23名集った。主催者から出された課題を解くかたちでハッキング能力を競い合った。大会にあたっては専用の可視化エンジン「AMATERAS零(アマテラス・ゼロ)」を導入、攻防戦をリアルタイムに視覚化する試みも行なわれた。ビジュアル面でもテクノロジーを感じさせた。長時間の激しい攻防の結果、第1回の優勝者は20代の社会人女性に決定。参加者同士は積極的に情報交換を行い、交流の場としての役割も果たしていた。続いて開催された公開ブレストには「殻機動隊S.A.C.」シリーズの神山健治監督、ハッカソン・コンテスト大会審査員の塚本昌彦教授、ネットワークセキュリティ研究所の井上大介さんが登壇。「攻殻」のテクノロジー実現について、熱い議論を展開していった。塚本教授は「今後実現したいのは『10年以内に自分の脳に電極挿す』こと。自分自身が電脳化1号になりたい」と驚きの発言。そして自身が「攻殻」に多くの影響を受けていることを明かした。井上さんはセキュリティエンジニアや研究者の人数が足りていない現状に触れ、「攻殻CTFのようなプロットを通じて、新しい人材がどんどんこの世界に入ってくることが重要です」と今後の課題を語った。神山監督は「SFや科学は、明るい未来を見せていくために本来は使われなければいけないもの。攻殻機動隊の世界観を実現する新しく芽吹いているテクノロジーを、作品を通じて伝えていくことができたらいいなと思います」と今後の作品への意気込みを明かした。[高橋克則]
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