舞台「ぷよぷよ オンステージ」、”謎のぷよ”を巡るドタバタコメディ | アニメ!アニメ!

舞台「ぷよぷよ オンステージ」、”謎のぷよ”を巡るドタバタコメディ

高浩美の アニメ×ステージ&ミュージカル談義:今年で24周年を迎えるという国民的パズルゲーム『ぷよぷよ』シリーズ。今回は満を持しての舞台化である。

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連載第119回
高浩美の アニメ×ステージ&ミュージカル談義  
[取材・構成: 高浩美]

■ 今年で24(ぷよ)周年、まんを持しての舞台化

今年で24(ぷよ)周年を迎えるという国民的パズルゲーム『ぷよぷよ』シリーズ。メディアミックス展開も盛んでマンガや小説など幅広いが、今回は満を持しての舞台化である。この舞台のためにオリジナルストーリーが書き下ろされた。また、毎公演の舞台本編終了後には特別ゲストを迎えミニトークショーおよび、『ぷよぷよ』グッズが当たる抽選会もあり”お得”感満載の内容である。


■ コネタ満載、『ぷよ勝負』も必見、ハイレベルな戦い、大技も飛び出して、ゲームファン納得の面白さ

まずは”ツリーズ”とよばれる4人組が登場し、何をするかと思ったら劇場内での諸注意(携帯電話は電源から切りましょう、等)をアナウンス。これがなかなかコミカル。この瞬間から劇場は『ぷよぷよ』の世界感が広がっていく。
実はその前から客席では早く『ぷよぷよ』の世界に浸りたいのか客席でプレイしている観客もチラホラ、な状況であった。他の作品ではなかなか観られない光景だ。

それから幕が上がる。オープニングはちょっとミュージカル風。楽しいファンタジーの始まり!といった風情だ。物語は早々に『ぷよ勝負』の場面に!アルルvsサタンの勝負、なかなかハイレベルな戦い、客席は『ぷよぷよ』の世界に。
完全敗北のアルルはひどく落ち込む。進行役はアコール先生、客席に向かって”アコール先生~”と呼ばせるところは客席と一体感。舞台セットはパステル調でファンタジックな世界を盛り上げる。勝負シーンは聞き慣れたBGM、そして効果音、連鎖で『ぷよ』は次々と消えていく様はファンにはたまらない光景だろう。
アルルと共にいるカーくん、ことカーバンクル(パペットで表現)が何故か森へ……そこで見つけた”謎のぷよぷよ”。これに触れるとどんな願い事でも叶えてくれるとか……。その”謎のぷよぷよ”を巡ってストーリーは進行する。

この”どんな願いも叶えてくれる”というのが曲者だ。皆、”こうなったらいいな”という欲望がある。”謎のぷよぷよ”さえあれば、それが苦労せずに手に入る、とあって皆、懸命になる。
観客は客観的に観られるので、そのキャラクター達の行動は可笑しみが伴う。もちろんキャラクターの性格や台詞、口調はゲームファンならうなずけるところ。

そして、アルルとルルーの勝負も必見で、どちらも渾身の力を振り絞ってのハイレベルなバトル。勝敗よりも、そこにいく過程が面白い。”そうきたか~”的な感じで、大技も飛び出す。それぞれのキャラクターの個性がきっちり表現されているところはなかなか。例えばシェゾは「お前が……欲しい」を連呼、ファンなら大きくうなずけるところ。これを男性ではなく女性が演じているので嫌味にならない。配役の妙、といったところだろう。サタンも同じく女性が演じており、こちらは元宝塚歌劇団男役の天翔りいら、これも役柄に合っており、期待通りのルックスだ。皆、キャラとシンクロ具合が非常に高く、ゲームファンでも納得の完成度、と見た。ラストは新曲を披露して幕、となった。
物語はいたってシンプルだ。”謎のぷよぷよ”を巡るドタバタコメディなのだが、コネタ満載でゲームファンはもちろん、そうでないファンも楽しめる。ゲームの舞台化はここ数年、急増しているが、あの『ぷよぷよ』がどんな舞台になるのか、発表から話題性抜群であったが、なかなかのエンターテインメント作品に仕上がっていた。第2弾があるなら、次はどんなドタバタがあるのか、期待出来そうだ。

なお、終演後はトークイベントにはゲストとして『ぷよぷよ』シリーズでアミティ役の声優を担う菊池志穂が登壇した。それを迎える伊藤梨沙子(アルル役)、加藤里保菜(アミティ役)、河村唯(りんご役)、そして「ぷよぷよ」シリーズ総合プロデューサーの細山田氏と舞台「ぷよぷよ オンステージ」プロデューサーの中山氏が登壇した。
舞台の感想を聞かれた菊池志穂は「凄く面白かった!口開けて観てました~」と大喜び。自分がゲームで演じているアミティが目の前にいる、という感覚については「我が子が舞台に上がった感じ」と感想を述べた。

りんご役の河村唯は「凄く緊張しました~私がりんごちゃんって受け入れてくれるかどうか不安があったんですが……でも楽しかった!」と言えばアルル役の伊藤梨沙子は「凄く楽しくって、『ぷよ勝負』もあって普通のお芝居とは違うんですよね……客席が温かった~」と感無量な様子。
加藤里保菜は「アミティ、受け入れてもらえるのか心配だった」とコメント、菊池志穂がすかさず「凄くアミティだったよ」とナイスなフォロー。
菊池志穂は舞台の出来を「120点満点!」と100点超えの高得点をつけた。さらに菊池志穂は舞台上で「いっきまーす」とアミティ声を披露。加藤里保菜もその場でやってみせ、菊池志穂から”お墨付き”をもらった。それから抽選会が始まり、抽選会を含むトークショーは終了、となった。

舞台『ぷよぷよ オンステージ』
http://puyo-stage.sega.jp
赤坂ACTシアター
2015年5月2日~5月6日

[キャスト]
伊藤梨沙子/アルル役、加藤里保菜/アミティ役、河村唯(アイドリング!!!)/りんご役、
綾那/シグ役、木下彩/ラフィーナ役、田上真里奈/クルーク役、川上ジュリア/アコール先生役、
ルウト/シェゾ役、菊地美香/ルルー役、天翔りいら/サタン役
《高浩美》
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