5分間に濃縮された技術と才能/「日本アニメーター見本市」スペシャルステージ@AnimeJapan 2015 | アニメ!アニメ!

5分間に濃縮された技術と才能/「日本アニメーター見本市」スペシャルステージ@AnimeJapan 2015

3月21日(土)、東京ビックサイトで開催されたAnimeJapan 2015にて、『日本アニメ(ーター)見本市』スペシャルステージが行われた。

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3月21日(土)、東京ビックサイトで開催されたAnimeJapan 2015にて、『日本アニメ(ーター)見本市』スペシャルステージが行われた。
『日本アニメ(ーター)見本市』とは、Web上ではじまったもので、オリジナル企画・スピンオフ企画・PV・MV・VJFilmなど、ジャンルを問わず一流のクリエイターによって創られた短編オムニバスアニメーションシリーズだ。スタジオカラーとドワンゴの製作で、2014年11月より公開を開始した。

見本市の企画立案にスタジオカラーの庵野秀明さん、エグゼクティブプロデューサーにドワンゴ会長兼スタジオジブリプロデューサー見習いの川上量生さん。キャストは全作品において山寺宏一さんと林原めぐみさんが担当する。
題字にスタジオジブリの宮崎駿さん、題字彩色にスタジオジブリプロデューサーの鈴木敏夫さんが加わったことでも話題を呼んだ。なお、題字に出てくる「(ーター)くん」は庵野秀明さんが、宮崎駿さんの題字に「らくがき」をする形でデザインしている。

ステージにはキングレコードの担当者が登壇。2015年1月23日公開作品『ヤマデロイド』と2015年2月6日公開作品『evangelion:Another Impact(Confidential)』のメイキング映像を順次スクリーンに映し出した。
『evangelion:A.I』は荒牧伸志監督による作品。別の場所、別の時に開発されていたヱヴァンゲリヲン「Another NO.=無号機」が暴走するさまをフル3DCGで描いた衝撃作だ。メイキング映像では高層ビルに激突し突き破る無号機の素材段階が確認できる。崩壊するビルはハリボテではなく内部の骨組みまで3Dで組み上げられており、無号機により破砕される様子が露わとなった。
ガラスや瓦礫の飛び散るさまや、無号機がビルにつっこむ際の物理的な抵抗感なども計算されていることが見て取れた。他にも無号機の拘束具なしの3Dモデルに拘束具のテクスチャ素材を貼り込む様子や、格納庫内部、デッキの3DCGの骨組みの様子、また、アクションシーンや爆炎のシーンなどでビジュアルエフェクトがどのように用いられているのか、レイヤー(各処理の重なり)を分解していく映像が流された。

『ヤマデロイド』は現在アニメスタジオ・グラフィニカに籍を置くアニメーター・板野一郎さん監修の作品。山寺宏一さんが歌唱する歌謡曲のPVというテイストで作成されたアニメーション。手描きの質感を強く残した主線と後半の大胆で派手なアクションが印象的な作品だ。
アニメーションでは手描きの原画をスキャンしてその後の処理をPC上で行う、という流れが主流ではあるが、本作では全てが「デジタル原画」で制作されているとのこと。筆で描かれたような力強い線がデジタルで描かれているということ。3Dモデルにも線画の雰囲気を残して制作されている。後半のアクションパートはモーションを板野さんが担当。スピード感と迫力を生んでいる。

メイキング映像の放映が終わると事前にブース観覧希望者に配布された(ーター)くんの顔が描かれた紙袋を被るよう、担当者から要望が出される。5月13日にリリースされるサントラCDのブックレット用に写真撮影をしたいとのこと。
集まった数十人が被ると不思議な絵が完成、撮影に臨んだカメラマンもうれしそうにカメラを構えていた。

日本アニメーター見本市はWeb上での発表のため、国境の垣根がないのが特徴だ。北米を中心に毎日無数のアクセスを記録しているのだという。これを機に、多くのクリエイターは海外にも注目されるに違いない。今後の展開も楽しみだ。

「日本アニメ(ーター)見本市」公式サイト
http://animatorexpo.com/
《細川洋平》
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