一般社団法人 日本2.5次元ミュージカル協会が発足して1年になる。協会は2014年のAnimeJapanで会見を行い、発足した。日本発の国産舞台、それもアニメ・ゲーム・コミック原作の舞台作品に特化し、それを海外に”コンテンツ”として輸出するという目的を持っている。そして、期限付きではあるが、専用劇場をオープンする運びとなった。昨今、海外からの観光客は増加の一途をたどっている。2020年には東京オリンピックも開催される。観光面では、とりあえず”明るい”見通しがある。海外展開の前に、まず観光客を取り込む、という考え方である。一方で老朽化やその他、様々な理由で劇場がクローズされている。すでに青山劇場は閉館、日本青年館の閉館もカウントダウンに入っている。そのためには専用劇場の確保が急務であった訳だ。専用劇場さらに観光客にストレスを感じさせないように装着型の字幕も用意されている。こういった配慮は嬉しい限りである。日本で、アニメ・ゲーム・コミック原作ステージを、日本語がわからなくても楽しめるのである。日本は意外と演劇が盛んである。しかし、外国人が楽しもうと思っても今までそういったサービスは、歌舞伎等の伝統芸能以外はほとんどなかったのが現実。こういった取り組みが他の劇場にも波及すれば、状況はだいぶ変わるであろう。こけら落とし公演には、世界的にタイトルが知られている『NARUTO-ナルト-』の舞台化、その名も『『ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」』である。キービジュアルの公開では大きな話題となったが、Twitterでは外国人の書き込みも散見された。作品そのものの注目度も高い。初日前にこの劇場のマスコミ披露があった。まず、松田代表理事から説明があった。世界で初めてのアニメ・コミック・ゲームを舞台化されたものを専用に上演する劇場、つまり2.5次元の専用劇場である。しかし、ただ観せるだけではない、外国人の観客がチケットを劇場から直接購入出来るシステムを現在構築中とのこと。さら字幕装置、これは眼鏡型になっており、手元のコントローラーで文字の大きさが調節出来(眼鏡on眼鏡でも大丈夫!)、4カ国語(英語・中国語・韓国語・フランス語)から自分の言語が選べるようになっている。かつては、例えば海外からの作品の場合、舞台の両脇に英語の字幕スクリーンがあったりしたものだが、これだと字幕を読んでいるうちに芝居が進んでしまったり、と観客側には不満が残る。眼鏡型なら、そういったストレスもない、という訳だ。これは画期的なサービスと言えよう。また、渋谷の観光協会とも連動・協力体制をとっている。渋谷は今も若者の街でもあり、観光スポットでもある。こういった協力体制は今後の展開の要となろう。正式名称はAiiA 2.5 Theater Tokyo(アイア2.5シアタートーキョー)、2015年3月21日、開幕である。うずまきナルト役の松岡広大は「世界中で愛されている作品」とコメントしているが、世界的大ヒットコミック、こけら落とし公演にふさわしい演目であろう。日本発の、日本だけのライブエンターテインメントコンテンツ、ミュージカル『美少女戦士セーラームーン』やミュージカル『テニスの王子様』の海外公演も好評であったが、これはまだ、序章にしかすぎない。本番はこれからだ。一般社団法人 日本2.5次元ミュージカル協会http://www.j25musical.jp
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