「アニメは自分の血と肉」前田真宏監督インタビュー後編:「日本アニメ(ーター)見本市」 | アニメ!アニメ!

「アニメは自分の血と肉」前田真宏監督インタビュー後編:「日本アニメ(ーター)見本市」

インタビュー

■ 人間が物語を求め続ける以上、アニメの立ち位置もきっとある?

――あと最後にもうひとつ教えてください。これもまた抽象的ですが、「アニメ」はこの先どうなると思いますか。

前田
「人間が物語を求めることを放棄することはない」、これははっきりしていますよね。何かの表現を通して物語を求め続ける以上、アニメの立ち位置もきっとあるだろうと僕は思います。
アニメは現実をカットするのではなく、描写することでその世界がまるであるかのように嘘をつきます。こうした表現は人間がそれを求める限り絶対これからも続くと思っています。そのなかで日本のアニメが独自の進化を遂げていく、アプローチしていく余地はまだまだあるんじゃないかでしょうか。
『青の6号』を作った頃はもう少し逆のことを考えていて、何でも取り入れたらいい、もう少し違う世界で勝負したい、外へ出ていく作品をすごく作りたいと思っていたんです。でも最近は、むしろガラパゴスでいいかなという気がします。どんどん特化して、突き詰めるところまでいったっていいじゃないか、インターナショナルじゃなくても、僕らだけの何かをたまたま見た人が「何だ、これ、面白い」と言ってくれたらいいんじゃないのかなと思っています。

前田
『青の6号』の時には、CGを使うという新しい武器を手に入れたのになぜ表現を制限するセルルックに落とし込まなければいけないのかと思っていたんです。せっかく立体視できる、グルッと回せる背景が手に入った、それをセルキャラクターの二次元の感じに近づけるのは全然意味がないと思えて、作品ではあえて生煮えのままぶつけているんです。
今回の見本市の中でも『HILL CLIMB GIRL』がセルルックの表現をしていますが、それがいまはすごく面白いなと思っています。逆に新しい世代の人たちが、アニメが好きというなかでCGをやっていて結構衝撃を受けています。僕から見るとものすごく出来がいいんです。彼らが素直にグラフィックの様式としてセルルックを捉えているのがはっきり分かるんです。
極論かも知れませんが、たぶん、それは日本でしか生まれない表現なんです。CGでアニメといったら『アナと雪の女王』やピクサーですが、海外はみんな「人形劇」なんですよ。

――海外CGのアイディアはストップ・モーション・アニメーションの延長線上ですね。

前田
場があって、そこで人形がお芝居をして、よく動く人形劇なんです。日本のアニメはどこまで行ってもそれにはなれない。二次元のグラフィックなんです。
グラフィックで物語を見せていく面白さ、これは日本人が得意としてきたことだし、まだまだこれからも続くんじゃないか。その新しい出口としてセルルックのCGアニメというのはすごくいいなと思っています。僕は個人的に、むしろこの表現のほうが『アナと雪の女王』より進んでいるのじゃないかとひそかに思ったりします。

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『西荻窪駅徒歩20分2LDK敷礼2ヶ月ペット不可』

――前田さん自身がセルルックのCGを次やることは考えたりはあるんですか。

前田
願望としてはありますね。ぜひやってみたいですね。ただ話がもとへ戻りますが、手描き描線の魅力も別にあります。例えとして変かもしれませんが、3DCGは木版刷りの浮世絵の良さ、手描きは肉筆画の浮世絵の良さ、両方ありじゃないかと思います。
いまはアニメの創作はデジタルツールを手にしたことで、個人作家に戻っていく流れがあると思うんです。一人一人が工房や発信元になれるわけですから。じゃあ、それに対してマスプロは何をしたらいいのか、そこにはやはりまだまだ工夫の余地はあるし、やるべきことはあると思っています。

『西荻窪駅徒歩20分2LDK敷礼2ヶ月ペット不可』
監督: 前田真宏
原案・キャラクターデザイン: 本田雄
http://animatorexpo.com/nishiogikubo/

“『西荻窪駅徒歩20分2LDK敷礼2ヶ月ペット不可』
いつもの部屋のソファの上で目を覚ましたリカ。
ふとした違和感に気付く・・・
駅から少し離れた2LDK、ただいま内覧受付中。“

日本アニメ(ーター)見本市
http://animatorexpo.com/

■ ニコニコ生放送
「日本アニメ(ーター)見本市-同トレス-」2ndシーズン開始特番
2014年3月9日(月)22時~23時(予定)
http://live.nicovideo.jp/watch/lv204660678
出演者:前田真宏、鶴巻和哉、樋口真嗣、出渕裕
□「日本アニメ(ーター)見本市」セカンドシーズンや日本アニメ(ーター)見本市OP募集企画の選考発表を行います。  

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前田真宏監督
《animeanime》
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