2月21日、北海道・夕張市で開催されていた「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2015」にて、「VFX-JAPANアワード2015表彰式」が行われた。この場で2014年のCG・VFXで最も優れた作品として6部門の最優秀賞が発表され、受賞者にトロフィーと賞状が授与された。 劇場公開アニメーション映画部門で最優秀賞を受賞したのは『STAND BY ME ドラえもん』となった。また劇場公開実写映画部門は『永遠の0』、テレビ番組部門は『軍師官兵衛』である。 さらにゲーム映像部門、CM・プロモーションビデオ部門、イベント・LIVE映像部門が設けられている。こちらは『LIGHTNING RETURNS FINAL FANTASY XIII』、『ペプシ 桃太郎Episode.ZERO篇 / Episode.1篇』、『realtime 3d facetracking & projection mapping OMOTE』がそれぞれ最優秀賞に輝いた。
2014年はCGを使った意欲的な作品が次々に飛び出したことから、日本のアニメーションのCG業界にとってエポックメイキングな年となった。その中で劇場アニメーション部門で最優秀とされた『STAND BY ME ドラえもん』は、国内制作のフルCGはヒットしにくいとされるなかで、興行収入80億円を超えるメガヒットになった。CGアニメーションが一般性を獲得することを証明した。 受賞者は制作会社の白組とアニメーション映画監督の八木竜一氏。白組は『永遠の0』の制作もしており、映画部門ふたつで同時受賞とその実力をみせつけた。
劇場アニメーション部門は、このほかセルルックのフルCGで話題を呼んだ『楽園追放-Expelled from Paradise-』、そして『劇場版「進撃の巨人」前篇~紅蓮の弓矢~』『攻殻機動隊ARISE』が優秀賞に選ばれている。このラインナップからも、2014年に映像への挑戦が続いたことが分かるだろう。 アニメーションでは『シドニアの騎士』も、テレビ番組部門の優秀賞を受賞している。こちらもデジタルアニメーションで、従来の2Dアニメの良さを表現、さらにフルCGの技術を最大限に発揮している。惜しくも最優秀賞には届かなかったが、2014年の話題作である。 VFX-JAPANは日本CGとVFX産業の振興を目指す団体で、業界の関係者が参加する。VFX-JAPANアワード最優秀賞は、VFX-JAPAN個人正会員、法人賛助会員の投票により決定する。