曾根崎心中の“もしも”描いたアニメーション、現代美術家・束芋が挑む | アニメ!アニメ!

曾根崎心中の“もしも”描いたアニメーション、現代美術家・束芋が挑む

銀座のギャラリー小柳で現代美術作家の束芋による個展「束芋:息花」が開催される。このなかではアニメーションを用いた作品も紹介される。期間は2月14日から4月4日までだ。

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束芋 あいたいせいじょせい (参考イメージ) 2015年 映像インスタレーション
  • 束芋 あいたいせいじょせい (参考イメージ) 2015年 映像インスタレーション
銀座のギャラリー小柳で現代美術作家の束芋による個展「束芋:息花」が開催される。期間は2月14日から4月4日まで。

束芋は京都造形芸術大学の卒業制作として発表したインスタレーション『にっぽんの台所』で、キリン・コンテンポラリー・アワード最優秀作品賞を受賞。以来、アニメーションを用いた映像作品を数々の国際展に出品しており、02年に五島記念文化賞美術新人賞を、04年に京都府文化賞奨励賞を受賞。11年にはヴェネチア・ビエンナーレ日本館の代表作家に選ばれており、近年ではコンサートや伝統芸能などとのコラボレーションにも取り組んでいる。

今回の個展では新作アニメーション作品『あいたいせいじょせい』が公開される。これは、人形浄瑠璃の傑作『曾根崎心中』と、吉田修一の長編小説『悪人』のストーリーを交差させたもの。それぞれのエピソードに登場するお初と徳兵衛、金子美保と清水祐一の恋愛模様を比較する中で、束芋がイメージした“もしも”の世界が展開される。

アニメーションの制作にあたり、束芋はソファとテーブルをモチーフに選んだ。尚、作品のタイトルは「相対性女性」を平仮名にしたもので、このうち「相対」は男女の仲を表しながらも、江戸における心中を表す“相対死に”を連想させる。そこに男女の「性」を重ねるとともに、複雑な関係に生きる「女性」2人にスポットが当てられた。

これに加え、新作ドローイング7作品も今回の個展で初めて公開される。ドローイングシリーズ「flow-wer」では、モチーフとなった花と人体の内蔵が墨と蜜蝋に着色され、艶やかに描かれた。

今回の展示について束芋は「花を摘み取って切り花にすること、臓器を器にすること、ある人の人生の一部分を小説や絵、映像に描くことは、この『息花』展では同じイメージを持ち、私がお届けするのは、その切り取った一部でしかないけれど、花には根が付いていること、臓器が魂を宿して息をしていたときのこと、ある人の描かれた人生の一時期の前後に続きがあることを想像して、すべての作品を作っている」と話している。

なお、2月14日には18時からオープニングレセプションを開催。束芋も来廊する予定だ。


【イベント情報】
「束芋:息花」
会場:ギャラリー小柳
住所:東京都中央区銀座1-7-5小柳ビル8階
会期:2月14日から4月4日
時間:11:00から19:00
休館日:日・月曜日、祝日

束芋が曾根崎心中の“もしも”描いたアニメーション、銀座で開催

《HEW》
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