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2015年公開、国内劇場アニメは昨年を上回る勢い 公開とイベント上映の融合進む

アニメ!アニメ!編集部による、翌年の劇場アニメの公開予定作品を集計した。2015年に劇場公開・イベント上映をする国内劇場アニメは、2014年12月31日の段階で40本を越えている。

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■ 正念場のオリジナル作品

劇場アニメが好調とされるなかで、課題となるのはオリジナル作品だ。全体の本数は増えているが、実際には前述のとおり、有名タイトルや深夜アニメからの劇場展開が多い。さらにキッズ向けでは、決まった時期に劇場作品が登場する長年のシリーズが大半だ。
これまでスタジオジブリ作品を除くと、オリジナル長編アニメは興行で苦戦するケースが多かった。それが製作サイドにも影響を与え、オリジナルアニメの制作は減少傾向にある。

2014年には国内長編アニメを牽引してきたスタジオジブリが制作の休止を明らかにしている。オリジナル作品にはますます厳しい時代となりそうだ。
そうした中で2015年に期待されるのが、7月に公開される細田守監督の3年ぶりの映画「バケモノの子」だ。「サマーウォーズ」「おおかみこどもの雨と雪」と原作からのオリジナルの作品で挑戦、興行成績も拡大している。ポストジブリの期待の声は大きい。
この他オリジナル作品は、原恵一監督の「百日紅」、長井龍雪監督の「心が叫びたがってるんだ。」が2015年に注目される。また2015年から本格的に劇場製作を目指すフジテレビ“ノイタミナ”の伊藤計劃プロジェクトの3作品「虐殺器官」「ハーモニー」「屍者の帝国」も関心を集めている。

■ 海外アニメーションの動向:ポストジブリはディズニー

ポストジブリを考えた時に、思わぬ伏兵は国内でなく海外にいる。2014年はディズニーアニメーションの「アナと雪の女王」が興収約260億円の記録破りの数字を残した。こうした国民的大ヒットは、宮崎アニメを彷彿させる。子どもから大人まで愛されるアニメーションはもともとディズニーの目指したものである。
2014年12月公開の「ベイマックス」も大ヒット、実写映画もヒットが続く。宮崎アニメに足を運ぶ人たちの受け皿にディズニー作品がなったとしても不思議はない。

ディズニー好調を続ける一方で、他の海外アニメーションは日本では厳しい状態が続いている。とりわけハリウッドメジャーの大作CGアニメーションは日本未公開、もしくは小規模興行にとどまるケースが続出する。海外では大ヒットのドリームワークス・アニメーション作品は、2012年の「ガーディアンズ 伝説の勇者たち」以降、日本公開がひとつもされていない。
ところが2015年のリストを見ると、ディズニー作品以外で公開決定する作品が意外に多い。「オズ めざせ!エメラルドの国へ」「劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス」「映画 きかんしゃトーマス」「スポンジ・ボブ 海のみんなが世界を救Woo(う~)!」「映画 ひつじのショーン~バック・トゥ・ザ・ホーム~」「リトルプリンス 星の王子様と私」「I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE」などである。
これらの作品に共通するのは、作品のキャラクターが長年日本で愛されていることだ。スヌーピー、ムーミン、トーマス、星の王子様…。日本で期待される海外アニメーションは高予算のCGアニメーションでなく、誰でも知っている馴染みのキャラクターが活躍する作品のようだ。
《数土直志》
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