連載第97回 超歌劇「幕末Rock」キャスト全員パワー”超”全開、見所はもちろん、雷舞 2ページ目 | アニメ!アニメ!

連載第97回 超歌劇「幕末Rock」キャスト全員パワー”超”全開、見所はもちろん、雷舞

■ 『幕末Rock』は歌で戦う幕末革命アドベンチャー舞台版キャストも歌唱力は声優陣にひけをとらない■ 熱いパッションで演じ、演奏する、超歌劇な幕末の世界が弾ける![取材・構成: 高浩美]

連載
注目記事
(C)2014 Marvelous Inc./超歌劇『幕末Rock』製作委員会
  • (C)2014 Marvelous Inc./超歌劇『幕末Rock』製作委員会
  • (C)2014 Marvelous Inc./超歌劇『幕末Rock』製作委員会
  • (C)2014 Marvelous Inc./超歌劇『幕末Rock』製作委員会
  • (C)2014 Marvelous Inc./超歌劇『幕末Rock』製作委員会
  • (C)2014 Marvelous Inc./超歌劇『幕末Rock』製作委員会
  • (C)2014 Marvelous Inc./超歌劇『幕末Rock』製作委員会
■ 熱いパッションで演じ、演奏する、超歌劇な幕末の世界が弾ける!

まずは、観劇に当たっての諸注意アナウンス、これを担当するのは、あのお登勢さん。オネエ言葉でペンライトの使い方等を指南してくれるので、時間には着席したいもの(でないと、お登勢さんに怒られる?!かも)。
まずは、最初から演奏シーンで幕開け。坂本龍馬演じる良知真次が、しょっぱなからテンション上げて歌う。超歌劇『幕末Rock』の始まり。これが実は龍馬の夢の話、という出だし。ある程度ストーリーが進行したところで、主要キャラクターがスクリーンに登場する、どのキャストも芸達者で、期待を裏切らない2.5次元。基本的に先頃放送が終了したアニメ版に沿っているが、はしょるエピソード、クローズアップするエピソード、ここのチョイスが流石、吉谷光太郎。アンサンブルもクオリティ高く、芝居にダンスに殺陣に、それから”黒子”にと大活躍。ファンの女の子まで演じてくれたりする(もちろん、女装)。
基本的にエアードラム、エアーギターであるが、何故かリアリティがあって一瞬だまされそう。吉田松陰先生はシルエットのみだが、声はあの方、中尾隆聖!もう存在感抜群でさすがのベテラン。

近藤勇の最期は、これでもか、というくらいに”感涙”シーン。この近藤勇と土方蔵三の殺陣のシーンは見せ場のひとつ。土方蔵三役に輝馬、身長182センチ、近藤勇役の友常勇気も182センチ、大柄な2人の殺陣なので、迫力満点。よく動くし、キレもいい。言うことなしの名場面となっている。
井伊直弼は、もう”腹黒さ”満点。龍馬は単純、おバカ、いい奴全開、高杉晋作はちょっとつっぱり気味だけど根は真面目、桂小五郎はやたら冷静、と3人トリオは期待通り。沖田総司はちょっとくせのある2枚目で、愛獲(アイドル)っぽい所作がツボ。スクリーンには時折歌詞が出るので、”エアー”で口ずさみたい。歌うナンバーは全部で19曲、原作ファンならおなじみの楽曲が”これでもか”と怒濤のように出てくる。

合図でサイリウムペンライトを振り回せば、雷舞(ライブ)の観客に。虚構の世界に一瞬、入れるのである。また、沖田総司の劇中”登場シーン”とラスト近くの坂本龍馬のシーンは、もの凄くアナログ過ぎて、ここはサプライズ、もう笑ってしまう。
アニメの最終回部分のシーンは舞台版でもかなりの時間を裂いて描かれており、あの感動を再現。徳川慶喜の孤独な心に龍馬が「一人じゃない」と呼びかける。そしてクライマックス。友情、絆、そして自分に偽りのない生き方をRockを通じて提示。はっちゃけた設定にとらわれすぎるとテーマがぼんやりとすることもあるが、この『幕末Rock』はむしろテーマを明快に見せる。ここは脚本・演出の腕の見せ所で『幕末Rock』がよくわからなくても作品の面白さは十分伝わり、原作そのものにも興味がわくようになっている。
もちろん、原作ファンは何倍も楽しめる。決め台詞もばっちり、お笑いシーンも満載。年末に笑ってほろり、躍動感たっぷりのエンターテインメント精神にあふれた作品だ。ゲームは既に新作が発売されているが、こちらも舞台化して欲しい。

なお、ゲネプロ終了後に囲み取材があった。坂本龍馬役の良知真次は「”終わったな”(そして)”始まるな”と。2ヶ月稽古しました。なかなか(みんなの)スケジュールがそろわなくって、でもいざ通してみるとひとつになっているなと」とチームワークの良さをアピール。
高杉晋作役の太田基裕は「ちょっと安心した」とホッとした様子。土方歳三役の輝馬は「いい意味で問題点が見つけられた。改善していけたらいい」と反省点があったよう。
沖田総司役の佐々木喜英は「曲数が多くって、大変」と振り返る。超(ウルトラ)がつく歌劇(ミュージカル)、なんたって19曲もあり、ダンス、芝居、殺陣、歌、それが19曲となるとかなり大変。しかし、主要キャストだけでなくアンサンブルに至るまできっちりとこなしていたのが印象的であった。
良知真次は「稽古が終わっても3人(良知、太田、矢田)で練習した」という。”コソ連”していたようで、その成果は舞台に現れていた。また、アニメでも”お約束”のシーンだが、その”対策”に関しては「休みがあれば腹筋とかやった」と良知真次。
桂小五郎役の矢田悠祐は「(ドラムを)叩きながら歌うのが大変」とコメント。良知真次は「この作品を観て”明日も頑張ろう”と思えるようなものにしたい」と締めた。元気いっぱいの舞台、超歌劇『幕末Rock』、まさにエネルギーをもらえる作品なのである。

超歌劇『幕末Rock』
2014年12月24日~12月29日
天王洲 銀河劇場
http://bakumatsu.marv.jp/stage/

超歌劇『幕末Rock』
(C)2014 Marvelous Inc./超歌劇『幕末Rock』製作委員会
《高浩美》
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集