舞台「弱虫ペダル」、ヤンキーだった荒北がロードレースに目覚める、ラストの激走は必見! | アニメ!アニメ!

舞台「弱虫ペダル」、ヤンキーだった荒北がロードレースに目覚める、ラストの激走は必見!

連載・コラム

(c)渡辺航(週刊少年チャンピオン)2008/弱虫ペダル製作委員会2013(c)渡辺航(週刊少年チャンピオン)/マーベラス、東宝、ディー・バイ・エル・クリエイション 
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高浩美のアニメ×ステージ&
ミュージカル談義
[取材・構成: 高浩美]

■ 柄は悪い、口も悪い、しかしハートは熱い、荒北靖友を主軸にすえた物語

10月から再びテレビシリーズも始まった『弱虫ペダル』。舞台は超人気公演で、チケットは発売と同時に即日完売、今回の公演は千秋楽のライブビューイングも決まっているが、今回は台湾でも行われる。海外マーケットを意識してのことである。日本のアニメ・コミック・ゲームは世界的な規模で人気を博しているが、その舞台化、“2.5次元ミュージカル”も海外から支持されている。
今年3月に一般社団法人社団法人 日本2.5次元ミュージカル協会が発足したが、賛同する法人も徐々に増えているが、大手出版社等、大手メディアが名を連ねている。それだけ、注目のジャンル、と言えよう。

アニメは目下、インターハイの模様を熱く描いている。舞台も原作に沿った内容であるが、今回はインターハイではなく、箱根学園の荒北靖友を主軸に据えた物語になっている。
荒北は中学時代は投手として活躍していたが、肘の怪我で断念せざるを得なくなり、荒れてしまった。高校1年の時に同級生の福富に偶然に出会い、ロードレースに目覚める。口は悪く、荒っぽい性格で普段は冷めているが、チーム愛が強い男で、大一番では落車ギリギリのライン取りで一気に加速する荒々しいライディングで切り抜ける。時には福富の代わりにメンバーに指示を出す等、危機には確実な対策を講じる等、参謀役もこなすチームの要でもある。そして福富のことを“福ちゃん”と呼ぶ。ガラも悪く、口も悪いがハートは熱い。
インターハイ2日目、新開の弱点をあげつらう京都・伏見の水田に「グダグダるっせーよ、2年ボーズ!御堂筋気取りのバチモンが!!」と一喝するところは荒北の真骨頂ではないだろうか。そんな荒北の物語、どんな一面が見られるのだろうか。

■ 荒北の大きなターニングポイントとなる真鶴のロードレース。
圧巻の荒北の激走ぶり、他の面々の走りっぷりは必見!

いつもながらシンプルなセット、お決まりの自転車が天井に吊るされている。舞台中央にはバイク。いわゆる“原チャリ”と呼ばれるものだ。それが天井に上がって物語が始まる。
荒北の独白、中学時代のこと。野球選手として活躍、しかし、不運な怪我で肘を痛めたこと、箱根学園に進学するも、思い通りにならない日々を語る。一人ポツンと佇む姿が荒北の孤独感と焦燥感をビジュアル的に見せる。しかもヤンキーな風貌で周囲から煙たい存在となっていた。そんな時にふとしたことで同学年の福富に出会うのである。

たたみ掛けるようにテンポ良くストーリーが進行する。過去と現在(インターハイ2日目と3日目の間)を行きつ戻りつ進んでいく。荒北の成長が主軸だが、それ以外のキャラクターの過去も挟んでいる。真波や金城、御堂筋、1年生の真波にインターハイ出場の座を取られた2年生の黒田らのエピソード、さほど多くは語られていないが、それぞれの隠された物語にも興味がわく。
福富の自転車と競走する荒北。しかし原付チャリにも関わらず、負けてしまう。自転車を始めるが荒北は自転車に乗れなかった。バランスを崩してしまい、自分のふがいなさをいやおうなしに感じるシーンは切なさを感じる。「練習は嘘をつかない」と福富は言う。箱根学園の個性的なメンバーと出会い、荒北の中で何かが変化する。そんな心境の変化を鈴木拡樹は時には細かく、時にはテンションを上げて熱演する。

この舞台は自転車の表現に大きな特長があるが、自転車がよろける様は、本当の自転車でよろけているように見えて俊逸。それを表現しているパズルライダーの「あ~また転んじゃった~」というなんとも言えない表情が臨場感を与える。動きだけではない、パズルライダーの演技力で“自転車”が生き生きと見えてくる。ここはよく観て欲しいポイントと言えよう。
顔色ひとつ変えずに「俺は強い」と言い続ける福富。そんな彼を荒北は「鉄仮面」と言う。強い意志を持ち、自分を鼓舞し、ブレない福富を象徴する“あだ名”だ。そんな福富を滝川英治は身体全体で表現。福富役は3回目だが、まさに当たり役。そして荒北の大きなターニングポイントとなる真鶴のロードレース。ここのシーンは圧巻で荒北の激走ぶりや他の面々の走りっぷりは必見。ラスト近く、荒北は遂に完全にロードレースをものにし、「運び屋」としての才能が開花する。シンプルに感動出来る。そして福富を「福ちゃん」と呼ぶようになる。荒北の心境の変化が感じ取れるところで、観てる側はちょっと笑みがこぼれる。
ところどころに“お笑い”が挟み込まれるのは“お約束”。特に総北の金城真護演じる郷本直也は自分の持ち役以外にいたるところでいろんな“キャラ”を演じ、ほぼ“お笑い担当”状態で観客の笑いを取っていた。

回を重ねる毎に面白さと熱さが倍増する舞台『弱虫ペダル』。前回はインターハイ2日目だったが、今回の公演は次回公演にも期待大、な締めくくり。荒北の物語以外のインターハイ3日目前のエピソード、これが、次にどうつながっていくのか、次回公演が待ち遠しい。
物語終了後は出演者が振り付きで『恋のヒメヒメぺったんこ』を熱唱して幕となった。

舞台『弱虫ペダル』箱根学園篇~野獣覚醒~
(c)渡辺航(週刊少年チャンピオン)2008/弱虫ペダル製作委員会2013
(c)渡辺航(週刊少年チャンピオン)/マーベラス、東宝、ディー・バイ・エル・クリエイション
《高浩美》
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