「宇宙兄弟#0」永井幸治氏インタビュー(読売テレビプロデューサー) 企画誕生と映画制作を語る | アニメ!アニメ!

「宇宙兄弟#0」永井幸治氏インタビュー(読売テレビプロデューサー) 企画誕生と映画制作を語る

映画『宇宙兄弟#0』が、8月9日(土)より全国公開されている。本作がどのように企画・制作されたのか、読売テレビのプロデューサーの永井幸治氏に語っていただいた。

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国民的人気を誇るマンガ『宇宙兄弟』を原作としたアニメ映画『宇宙兄弟#0』が、8月9日(土)より全国公開されている。原作者の小山宙哉さん自ら新たに脚本を書き下ろした本作は、マンガやアニメでも描かれなかった『宇宙兄弟』の“第0話”、物語の始まりが描かれる。
そんな本作がどのように企画・制作されたのか、テレビシリーズの企画から携わってきた読売テレビのプロデューサーの永井幸治氏に語っていただいた。『宇宙兄弟#0』の見どころはどこにあるのだろうか。
[取材:アニメ!アニメ!編集部 構成:沖本茂義]

『宇宙兄弟#0』
/http://www.uchukyodai-movie.com

■ 『宇宙兄弟』をアニメ化しようと思った理由

―映画の前に、まずはテレビシリーズのお話をお聞きかせいてだけますか。永井プロデューサーは企画の段階から携わってきたと思いますが、そもそもアニメ化の企画はどのようして始まったのでしょうか?

永井幸治氏(以下永井)
アニメが放映される2年ほど前に、『宇宙兄弟』を連載しているモーニング編集部にアニメ化の話を持っていったんです。当時は放映時期や枠も未定で、「全国ネットを用意します」という条件だけでお願いしたんですけど、心よく承諾してくれました。
アニメの放映開始と並行して実写映画も公開されましたが、これはまったくの偶然でした。読売テレビは映画には関わっていませんでした。

―その全国ネットで放送するのに相応しいアニメとして『宇宙兄弟』を選ばれた理由は?

永井
たとえば、製作委員会方式でつくられる深夜アニメの場合、パッケージ販売やキャラクターの商品化まで考慮する必要がありますが、それと比べると僕が手がける全国ネットの作品は方向性が大きく違います。
つまり「テレビドラマ」と同じで、いかに視聴率を取れるか、たくさんの人に観てもえるかが重要なんです。そのうえで『宇宙兄弟』を選んだのは、「宇宙」という知的好奇心をくすぐるテーマを扱っていて、なおかつ人間ドラマがしっかり描かれていたからです。

―アニメは約2年という長い期間放映されましたが、振り返っていかがですか?

永井
原作に追いついたので休止しましたけど、ストックがあればもっと続けたかったですね。また、物語に感動してもらえたし、「宇宙飛行士になりたい」という人や宇宙開発やJAXAに興味を持ってくれた人も多かったので、そのあたり手応えを感じています。

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―今後、TVシリーズの続編に期待してもいいんでしょうか?

永井
我々『宇宙兄弟』のスタッフはつくる気満々でいます。まずは原作のストックが溜まらないといけませんし、番組の編成状況など様々な環境に左右されるので「絶対にやる」とは言い切れませんが、実現できるよう努力します。

―今回の映画『宇宙兄弟#0』ですが、TVシリーズ放映終了後の公開となりました。映画化の企画が動き出したのはいつごろなのでしょうか?

永井
アニメの放映がスタートしたころには映画化の企画が進んでいました。その時点ですでにシナリオづくりに突入していました。結果的に、制作状況や諸々の条件を踏まえて2014年夏のタイミングの公開となりましたが。

―原作者の小山宙哉さんが脚本を手がけられていますが、当初から小山さんの参加は決まっていたんですか?

永井
いえ、当初はアニメチームである程度ストーリーをつくって、それを小山さんに監修してもらうつもりでした。ですが、なかなか満足のいくストーリーが出来なかったので、小山さんにお願いして、助けてもらいました。
制作期間2年弱のほとんどをシナリオに費やしました。妥協したくなかったし、そもそも『宇宙兄弟』の物語は、それぐらい悩んでつくらないとダメなんです。小山さん自身も原作マンガをものすごく苦労してつくっているはずで、だからこそあの濃密なストーリーが構築されているんです。
《animeanime》
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