VIZ Mediaは、米国のマンガファン、アニメファンであれば知らない人のいない企業だ。『NARUTO』や『Bleach』をはじめ数多くの人気作品を北米に送り出している。 7月3日から米国・ロサンゼルスで始まった全米最大の日本アニメ・マンガイベントであるAnimeExpo(アニメエキスポ)2014でも、ファンに人気を集めていた。とりわけVIZ Mediaが2014年の北米アニメ業界最大の目玉とされるアニメ『美少女戦士セーラームーンCrystal』を扱うのであればなおさらだ。
逆にアニメでは映像パッケージに関する話題はほとんどなかった。話題はもっぱら配信や新たに決定した『翠星のガルガンティア』の米国限定上映といったものであった。 VIZ Mediaに限らず会場全体でも、映像パッケージの存在感も薄く、アニプレックスやNISアメリカなどのコレクターズ向けの商品以外はあまりみかけない。コレクター商品の少ないVIZ Mediaだけに、会社としての映像パッケージのビジネスはその割合も低下している可能性が強そうだ。
VIZ Mediaは、2014年に『セーラームーン』に加えてもうひとつ大きなタイトルを持つ。7月からディズニーXDでテレビ放送を開始する『ドラえもん』である。 しかし、『ドラえもん』は、パネルでは言及されたものの、アニメエキスポの会場内ではあまり大きな告知をしていない。一方、アニメエキスポ開催と同じ週末に、別会場でプレミア試写イベントを行う。作品のターゲットに合わせて、そのマーケティング戦略も変えているようだ。 [数土直志]