このミステリーの発想はE-pin企画の城島和加乃。企画意図として城島は「『観客』と『コナン』『蘭』が同じ空間にいる設定を考えたとき、“今から同じ演劇(人気劇団の公演)を観に行く”という共通体験はどうだろうか、というのが発想のスタートです。そして、演劇公演の最中に事件が起こる。リアルとバーチャルを結びつける“吊り橋効果”的な役割として、この“劇団流線型ピーナッツ”の公演があるというわけです。」と語る。リアルとバーチャルが曖昧な空間が劇場に出現し、体感出来るという趣向である。しかも単なる“参加型”ではない。“名探偵コナン”と共に、が大きなポイント。「“参加型”は、参加者がいかにリアルな体験ができるかがポイントだと思います。観客が『コナン』と同じ空間にいると感じられる設定、事件が目の前で起きるスピード感、頭を捻って推理する頭脳戦、コナンの世界観に於ける日常を切り取ったような空気感を大切にしたいと思います」完全に浸りきった方が絶対に楽しめる、という趣向になる。「開演してから事件が起き、推理が観客のみなさんに委ねられるわけですが、冒頭から謎を解くヒントが散らばされています。コナンのように五感をとぎすまして舞台をご覧ください。きっと様々な発見やオドロキがあるはずです。このステージの中で、謎を解く探偵は“あなた”です。特別な体験をしに、劇場にいらしてください」と締めくくってくれた。なお、コナン役の高山みなみは「こんにちは、高山みなみです。『ミステリーステージ名探偵コナン』は、観客の皆さん自身が謎を解くステージです!もちろん強力な助っ人が登場しますよ!乞うご期待!!名探偵はあなたたちです。真実はいつもひとつ!」とコメント。また毛利蘭役の山崎和佳奈は「毛利蘭役の山崎和佳奈です。『ミステリーステージ名探偵コナン』。舞台上で起こる事件を観客が「体感・体験」できるまったく新しいステージなんですって。さらにさらに謎をとくのも観客の皆さんなんですって!コナンくんと蘭ちゃんがどのようにストーリーに関わるのかも楽しみにしてくださいね」と締めた。劇場に一歩足を踏み入れたら、もう『コナン』の登場人物になり切って推理しないとつまらない、新しい形の2.5次元エンターテインメントと言えそうだ。■ コナンや蘭になり切りで気楽に楽しめる、が推理だけは真剣勝負な一風変わった2.5次元舞台、謎は解けるか?! まず、開演時間前に着席して客席をよーく観察することをおススメしたい。舞台にはスクリーンが2枚。コナンと蘭の声、どうもこの芝居を観に向かっている様子。スクリーンにはコナンと蘭のシルエットが映し出される。それから物語舞台は楽屋風景に。ちょっと鼻持ちならない看板俳優・鶴見。劇団創立メンバーとは少しそりが合わない様子。そんな“プロローグ”からタイトルロールがスクリーンに映し出される。そして流線型ピーナッツの公演が始まる。SFもの、舞台でバトルが……そして……。推理に必要な証拠やら状況やらが提示され、それから“推理タイム”制限時間は30分。これは観客が犯人は誰で、どういう凶器で、どう殺したか、といったことを推理し、用紙に書き込む、というもの。蘭はこの芝居で初舞台を踏む鷹島みのりの後輩という設定、蘭とコナンはみのりの電話の向こうにいる。推理タイムが終了したらいわゆる“答え合わせ”をするのだが、それから、この劇団の過去や人間関係などが描かれる。登場人物たちは芝居が好きで、懸命に芝居一筋で頑張ってきた。悪人はいない。気持ちが“袋小路”に迷い込んでしまい、悩んでいるのがよくわかる。さらにこの劇団の公演タイトルも意味深。殺人だけでなくちょっとした“小ネタ”もあり、お笑いもあり、で気楽に観られるが推理だけは真剣勝負、優秀な探偵は表彰される。コナンや蘭になり切りで楽しめる一風変わった2.5次元舞台、次があるとしたら、今度はもっと手強い?
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