「乙嫁語り」森薫さん マンガ大賞2014に輝く 中央アジアの歴史を描く傑作
2014年で7回目を迎えるマンガ大賞2014の大賞が決定した。森薫さんの『乙嫁語り』である。3月27日に、マンガ大賞実行委員会から発表された。
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『乙嫁語り』は2008年より雑誌「Fellows!」(エンターブレイン)にて連載されている。19世紀後半の中央アジアを舞台にした人々の物語を丁寧に描く。個性溢れる題材が連載開始当初より注目を集めてきた。
また、海外でも高い評価を獲得し、2012年にはフランスのアングレーム国際漫画祭で世代間賞(Le Fauve Intergenerations )を受賞、また米国図書館協会10代向けコミックベスト10にも選ばれた。今回の受賞は、そうした国内外の評価の高さを確認させるものだ。
マンガ大賞は、“今、一番友達に薦めたいマンガ”をコンセプトにしたユニークなアワードである。審査は書店員や各界のマンガ好きが行う。マンガ関連の賞に多い出版社やマンガ家の審査委員ではなく、一歩離れた読者目線で選ぶのが特徴だ。審査委員はノミネート作品全てを読んだうえで、ポイント形式で投票する。
また単行本の発売が8巻以内と対象作品を絞っている。こちらはすでに評価の定まった作品でなく、新しい作品のなかからお薦め作品をピックアップするとの趣旨によるものだ。
お薦め作品を選ぶと言うだけに、マンガ大賞では大賞受賞作だけでなく、二次選考に並んだ10作品全てが見逃せない。2014年に最も新しく、かつ読んでおきたい上質のマンガのセレクションになっているからだ。
審査員のポイント獲得で『乙嫁語り』に次いだ『僕だけがいない街』(三部けい)は2012年連載開始、3位の『さよならタマちゃん』(武田一義)は2013年に単行本第1巻が発売されたばかりだ。
今回のノミネート作品リストを参考に、最新のマンガの潮流を追ってみるのもいいかもしれない。
[マンガ大賞2014]
/http://www.mangataisho.com/
大賞
『乙嫁語り』 森薫 (94ポイント)
2位 『僕だけがいない街』 三部けい (82ポイント)
3位 『さよならタマちゃん』 武田一義 (66ポイント)
4位 『七つの大罪』 鈴木央 (59ポイント)
5位 『ひきだしにテラリウム』 九井諒子 (54ポイント)
6位 『重版出来!』 松田奈緒子 (46ポイント)
7位 『ワンパンマン』 原作:ONE 作画:村田雄介 (43ポイント)
8位 『亜人』 桜井画門 (32ポイント)
9位 『足摺り水族館』 panpanya (31ポイント)
10位 『坂本ですが?』 佐野菜見 (9ポイント)
(以上ノミネート作品)