究極の2.5次元を目指すゲームの舞台化 「PERSONA3」「AMNESIA」 2ページ目 | アニメ!アニメ!

究極の2.5次元を目指すゲームの舞台化 「PERSONA3」「AMNESIA」

アニメ×ステージ&ミュージカル談義[取材・構成: 高浩美]:主役の性別を変えて2バージョンの「PERSONA3 the Weird Masquerade~青の覚醒~」人気のオトメイト、しかもマルチストーリー分岐、ミュージカル「AMNESIA」に見る新しい演劇の可能性。

連載 高浩美のアニメ×ステージ/ミュージカル談義
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■ 芸達者な俳優陣とゲームさながらの映像で、舞台に飛び出した『ペルソナ3』の世界とダンス
歌で並行世界を翔る『AMNESIA』、どちらもエンターテインメント性たっぷりで魅せる


『PERSONA3 the Weird Masquerade~青の覚醒~』、劇場アニメーション『PERSONA3 THE MOVIE ―#1 Spring of Birth―』は昨年11月23日に公開、2日目にして週末興行収6位、どちらかというと小規模上映の部類ではあるが、なかなかの健闘を見せた。
舞台版は開演1時間前には長蛇の列で、人気の高さがうかがえる。この舞台の注目すべきポイントは主人公が“2パターン”男性と女性でのバージョン違いである。物語の骨格は基本的に変わらないものの主役の性別が違えば空気感も変わり、台詞のニュアンスやイントネーションも多少は変わる。この差異を楽しむ、と言う趣向である。

初日は男性バージョン。主人公の汐見朔也を演じるは蒼井翔太。ちょっとけだるい雰囲気でキャラクターを体現。それがシャドウとの戦いや仲間たちとの交流で少しずつ内なる“熱いもの”に目覚めていく様はなかなか見応えがある。オープニングから確かな歌唱力を披露するが、高めのキーが作品のテイストに合っており、作品世界を盛り上げる。
翌日は女性バージョン、人気声優阿澄佳奈、役名は汐見琴音。やや内気ではあるものの女性ゆえ、男性主人公よりは社交的。憂いを含めつつも、ラストでは仲間たちの友情に勇気を得て前向きに生きるキャラクターを体現。また、他のキャラクターとのやりとりでは、岳羽ゆかりとは、女の子同士の共感的な空気感があった。また、伊織順平は基本的に女好きな性格、琴音との“からみ”は文句なく楽しめる。
映画館にくりだすところは男性バージョンと女性バージョンでは設定を変えており、ここはお楽しみ場面となっている。

脇を固めるキャラクターもほとんどゲームから出て来たかのようで、作品世界を構築する。岳羽ゆかり役の富田麻帆はじめ芸達者な面々を配し、クオリティーを高くしている。
また、もう一人の重要な“俳優”である映像もゲームを踏襲し、そこに俳優陣がシンクロ、上手く2.5次元に移行させ、楽曲や効果音がさらにゲーム感を盛り上げる。公演日程が短いのが惜しまれる。是非、再演を期待したい。

『PERSONA3 the Weird Masquerade~青の覚醒~』
2014年1月8日~12日
シアターGロッソ
/http://www.clie.asia/p3wm/
《animeanime》
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