映画の本場米国では、2013年の賞レースがすでに始まっている。海外の地ではあるが、こうした賞の候補に日本の作品が挙がることも少なくない。とりわけアニメーション部門は、日本作品の活躍が期待出来る場だ。そうしたなかで宮崎駿監督の『風立ちぬ』が、快調なスタートを切っている。賞レース序盤戦で、主要な賞だけで、ニューヨーク映画批評家協会、ナショナル・ボード・オブ・レビュー、ボストン批評家協会の3つで最優秀アニメーション賞を受賞した。また、ロサンゼルス映画批評家協会では、フランスの『アーネストとセレスティーヌ』に続き次席(第2位)を獲得している。また、ノミネートを発表されている各賞でも名前が挙がっている。アニー賞では最優秀アニメーション賞候補7作品のひとつ、さらに脚本賞に宮崎駿監督の名前を挙げる。オンライン映画批評家協会賞でも5作品の候補のひとつだ。アニメーションに限定しない監督賞、脚色賞、外国語映画賞でもノミネートと評価が高い。『風立ちぬ』は、これまで発表された映画賞のほとんどになんらかのかたちで関わっている。『風立ちぬ』が何よりも驚くべきは、現在まで米国で上映されたのはニューヨークとロサンゼルスの2都市のみ、しかもかなりの短期間であることだ。もともと本作は2014年2月の公開を予定していたためで、アカデミー賞など各賞のエントリー基準を満たすべく11月の先行公開となった。このため本作を鑑賞した人は、米国では極めて限られている。各賞に名前が挙がるのは多くの映画関係者が、限られた鑑賞機会を逃さなかったことになる。それだけ関心も高い作品だ。2013年のアニメーション映画では、ディズニーの『アナと雪の女王』や『モンスターズ・ユニバーシティ』などのハリウッド大作が評判だ。フランスの『アーネストとセレスティーヌ』、ブラジルの『Rio: 2096 A Story of Love and Fury』も評価が高い。そうしたなかで今後の発表される米国アカデミー賞やアニー賞、ゴールデングローブ賞などで、『風立ちぬ』のさらなる活躍が期待される。『風立ちぬ』/http://kazetachinu.jp/
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