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「全ての要素には、理由がある」だから面白い!『逆転裁判』を江城氏&山崎氏が語る

ヒューマンアカデミー、カプコン、イードが行ったゲームクリエイターセミナー「『逆転裁判5』クリエイターが語るゲーム作りの裏側」からレポート。第2回はプロデューサー&シナリオディレクターから。

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「『逆転』シリーズのこれまでとこれから」
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  • シリーズ・プロデューサーの江城元秀氏
  • シナリオディレクターの山崎剛氏
■ 全9タイトルをリリースした『逆転裁判』シリーズの歩み

累計売り上げ440万本(※)を記録した『逆転裁判』シリーズは、2001年にゲームボーイアドバンス向けタイトルとして登場した『逆転裁判』からスタートし、2002年に『逆転裁判2』、2004年に『逆転裁判3』を発売。さらにハードをニンテンドーDSに移し、2005年に登場した『逆転裁判 蘇る逆転』では、タッチパネルならではの「カガク捜査」を導入した第5話の追加をはじめ、北米・欧米展開も行われました。さらに2007年に発売となった『逆転裁判4』では、新たな主人公・王泥喜法介を迎えた新展開を迎え、シリーズ最大の売り上げを記録しています。
(※:2013年6月30日時点。『レイトン教授VS逆転裁判』は除く。なお『逆転裁判5』も発売前)

2005年に発売した『逆転裁判 蘇る逆転』では、まず翻訳関係に携わったという山崎氏。海外向けではゲームの舞台をロサンゼルスとし、日本独自の表現を欧米向けに変換する「カルチャライズ」という手法を取っています。社内いる日本の文化に精通したスタッフが、日本独自のユーモアを現地の人が分かるようにするため通常のローカライズよりも時間が必要となりました。しかし、苦労のかいもあり海外ユーザーには大好評で、根強いファンが数多く存在します。

山崎氏が最初に巧氏から学んだのは「ゲームの要素には、すべて理由がある」ということ。ゲームの仕様や企画には「明確な理由」が必要であり、プログラマーやデザイナーに納得してもらう理由が必要です。新人向けの例え話として「ロックマンはしゃがめない。なぜか?」というものがあり、これはクリエイターの「敵の攻撃を避ける際、ロックマンをしゃがませるような消極的なプレイをしてほしくなった」という思いの表れ。アクティブなプレイをしてほしいからこそ、あえて取り入れなかった要素が「しゃがむ」なのです。

そこで山崎氏は『逆転裁判』シリーズにおいて「なぜ法廷が舞台なのか?」「なぜ尋問システムがあるのか?」という理由を自分なりに考えました。本シリーズでは、ミステリー作品で最も盛り上がる「解決編」の探偵と犯人の対決に重点を置いています。探偵が犯人を追い詰める際の謎解きや爽快感、意外な事実が明らかになるサプライズをプレイヤー自身に体感してほしいという部分は、舞台を「法廷」であるからこそ実現しました。ミステリーで最高に盛り上がる部分が「法廷バトル」に凝縮されているため「面白くないわけがない」のです。

江城氏は『逆転裁判4』のアシスタントプロデューサーとして参加。現場を経験してからプロモーションに携わるようになったため「いかに面白いゲームであっても、きちんと世の中やユーザーに伝わらないのがゲームにとって最も不幸」であると感じたといいます。プロデューサーとして、ゲームを知ったユーザーに期待してもらう、覚えてもらう事が重要であり、どのような手段をもって「知ってもらうこと」「伝えること」が大事です。

例えば店頭のポスターやパッケージ裏の説明も、ゲームの面白さを伝えるためにしっかりと計算されています。「これは何を伝えたかったんだろう?」と意識してみると、そのゲームが伝えたい要素をより深く理解できるかもしれません。

《animeanime》
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