「華ヤカ哉、我ガ一族 オペラカレイド “再会”」:2次元から3次元への移行でさらなる新しい世界観が広がる -3-
高浩美のアニメ×ステージ&ミュージカル談義:”2次元から3次元への移行でさらなる新しい世界観が広がる”最新のステージをレビュー。第3弾は前回の公演が好評を博した『華ヤカ哉、我ガ一族 オペラカレイド “再会”』だ。
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[取材・構成: 高浩美]
■ 好評につき、早くも再演!
声優と同役での起用で成功、次回作も公演中に発表、
仕掛け満載オトメイトシリーズ。
『華ヤカ哉、我ガ一族 オペラカレイド “再会”』、こちらは“再会”と銘打っているように4月公演の再演である。宮ノ杜家の長男、次男、三男はゲーム・OVAで演じた声優が同役を演じているが、これが舞台上でもはまり役、キャスティグの勝利、と言えよう。また、座席を“使用人席”と呼び、舞台を観る前に観客をゲーム・OVAの2次元の世界から3次元の世界に引き込む。チケットを購入した時点ですでに芝居は始まっている、という趣向だ。
劇場は前回と同じく星陵会館。宮ノ杜家は日本有数の財閥で政界とも関わり合いが深いという設定、永田町でやることで物語世界に輪郭を与えよう、という趣向だ。
初演と同じメンバーでの再演なのでカンパニーもこなれており、余裕を感じる。単なる再演ではなく、台詞や演出も一部変えてバージョンアップさせている。声優と同役での起用はバーチャルとリアルの境界線が曖昧になり、確かに“リアル”であるはずなのに、バーチャルな匂いもする。舞台版だけに起用された俳優との絡みもある。ここが面白さのポイントであろう。
客席も使っての演出はファンなら嬉しい限り。オープニングは初演よりわかりやすく物語の設定をプレゼンテーション。ストーリーは前回と変わらないが、初演と比較すると物語の展開をややアップテンポさせている感があり、一幕ものらしくスッキリとさせているのが印象に残った。
この『華ヤカ~』はオトメイト舞台化の第1回作品であるが、実は次回のオトメイト舞台化作品『CLOCK ZERO~終焉の一秒~』のキャスト発表を公演中に連続して劇場にて行う。さらに千秋楽には制作発表も行う予定。公演中に整理券を配布し、一般観客もこれに立ち会えるようになっているのである。
つまり『華ヤカ~』の公演中に次のタイトルも“開幕”。オトメイトファンをわくわくさせる仕掛け作り、チケットを購入した時点で“プロローグ”は始まっている。次なる“罠”も期待したい。
『華ヤカ哉、我ガ一族 オペラカレイド “再会”』
8月3日~8月12日
星陵会館
/http://www.hanayaka-stage.com/
『CLOCK ZERO~終焉の一秒~ 』
9月27日~10月6日
全労済ホール スペース・ゼロ
/http://clock-zero.otomelive.com/