
―― 緒方さんは、作品の「希望と絶望」をどんな意味だと捉えましたか。
―― 緒方恵美さん(以下緒方)
最初に描かれる「希望」というのは、特殊能力者が集められた学園で、そこを出た人は将来を約束されているところです。「絶望」は学校に閉じこめられたところ。でも、希望が絶望に入れ替わるように、絶望が希望に入れ替わったりもする。“みんなで生き残ろう”と行動するポジティブな苗木くんは希望なんでしょうね。
―― 緒方
……実は、『ダンガンロンパ』って、最初にゲームでお仕事をいただいたときには少し不安もあったんです。もっと凄惨な作品なのかなと思っていたので。
私は“役を降ろす”タイプの役者で、演じているときはそのキャラクターに自分を重ね合わせているので、ホラーとかスプラッタのようなジャンルの場合、役どころによっては自分自身にダメージがきてしまったりするんです。もし『ダンガンロンパ』が、ただコロス、コロサレルがメインの物語だったら演じることができないなと。
でも全然、そんなことはありませんでした。
みんなで「犯人は誰か」を特定するときに、互いに疑い合うだけでなくて、力を合わせるときもあったりします。「犯人」の子にも、その子なりの仕方がなかったんだなと思わされる理由があって、それがきちんと語られて共感できたり。

―― 緒方
物語序盤だと、舞園さやかさん。苗木くんとは中学時代の同級生ではあるんですが、彼女は人気アイドルなので、苗木くんとしては自分のことを知っていてくれていたとは思わなくて、高校で再会したとき「苗木くん」と声をかけられてびっくりしたりして。
石田彰さんが演じている十神白夜も面白いキャラクターですよ。ひと言でオイシイところを持っていく人物です(笑)。興味深いのは、超優秀な十神のほうが、苗木くんのことをライバル視していることですね。
ドラマがしっかりしていて、多種多様な人物と人間模様が出てくる群像劇になっています。
だからアフレコでも、役者のみなさんと本気の芝居でぶつかり合えるのが、すごく楽しいです。
後編に続く
『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生 The Animation』
7月よりアニメイズム枠にて放送開始
/http://www.geneonuniversal.jp/rondorobe/anime/danganronpa/