2012年11月29日から12月3日まで、韓国・釜山市で日本の映画とアニメーションの特集上映イベントが行われる。「映画とアニメーションの万華鏡」と題された特集は、文化庁主催による韓国での日本文化交流の一環だ。今年で9回目を迎える。商業大作だけでなく、より幅広い日本の映画文化を伝えるショウケースとしても貴重な役割を果たしている。本年は実写映画8プログラム、アニメーション7プログラム、併せて長編11本、短編36本、合計47作品が上映される。注目すべき大きな点は、実写映画と並び、アニメーションに力を入れていることだ。エンタテイメントの大作『劇場版マクロスF 恋離飛翼~サヨナラノツバサ~』(河森正治監督)から、短編作品が中心の個人作家まで幅広くカバーする。それだけに見どころも多い。ひとつはセルタッチのCGアニメにフォーカスしたことだ。2012年に公開したばかりの『ドットハックセカイの向こうに』(松山洋監督)、そして日本の大手アニメスタジオであるサンライズのCGアニメを「3DCG の到達点珠玉のサンライズ特集」として取り上げる。2006年の『新SOS 大東京探検隊』(高木真司監督)、2012年の『九十九』(森田修平監督)、『火要鎮』(大友克洋監督)は日本でもまとめてみたい貴重なプログラムだ。2011年に『緑子/MIDORI-KO』で注目を集めた黒坂圭太監督を、本作と初期の2作品と同時に紹介するのも興味深い。学生作品のアニメーションフェスティバルICAFから「ICAF から羽ばたいた作家たち」、多摩美術大学グラフィックデザイン学科作品から「タマグラアニメーションの軌跡」とで、2000年以降の若手作家の流れを追う。また、12月2日には「映画から何を学ぶか」題したシンポジウムも開催する。映画評論家の北川れい子さん、『桐島、部活やめるってよ』の監督の吉田大八さん、さらに韓国の映画関係者を交えて、韓国人から見た日本映画の“現在”、映画から学ぶ映画の魅力、日韓の映画の現況、教育、映画の未来について意見を交換する。韓国で上映の機会の少ない作品の紹介も含めて、日本の映画の普及のうえで貴重なイベントとなりそうだ。/映画とアニメーションの万華鏡会期: 2012年11月29日(木)~12月3日(月)会場: 映画の殿堂(釜山広域市)主催: 文化庁共催: 財団法人映画の殿堂、一般社団法人ジャパン・イメージ・カウンシル
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