インプレスR&Dのシンクタンク部門であるインターネットメディア総合研究所は、電子コミック市場を分析した「電子コミックビジネス調査報告書2012」の販売を9月27日(木)より開始する。それに合わせて調査結果の概要が発表された。電子コミック市場は、これまで順調に右肩上がりで推移し、電子書籍市場全体を牽引してきた。だが2011年度の市場規模は昨年度から10億円減少の514億円と推計され、はじめて前年を下回った。この要因として、スマートフォンへのデジタルコンテンツの移行が進んでおらず、携帯電話向け電子書籍市場の落ち込みを補完できていないことが挙げられている。しかしながら電子書籍市場全体でみるとスマートフォンやタブレット端末の普及や、電子書籍リーダーAmazon Kindleの日本上陸などが予想されており、市場が活性化することは間違いないとインターネットメディア総合研究所はしている。加えて電子化が遅れていた少年マンガのコンテンツ拡充が進み、これからも電子コミックが市場のシェアを高めていくことが推察された。またユーザーへのアンケート調査から、電子コミックを購入しても紙のコミックである単行本の購入量は変わらないという報告も発表されている。これは有料電子コミック利用者に対して単行本の購入量の変化を聞いた回答で、最も比率が高かったのは「変わらない」の61.5%だった。多くのユーザーは電子コミックを利用しながら、単行本も今までと同じく購入していることが窺える。一方「単行本は買っていなかった」という回答も6.3%寄せられ、電子コミックが新たなユーザー層を開拓している状況もみられた。さらに電子コミックの購入頻度が高いユーザーほど、単行本の購入量が「増えた」と答える比率が高くなる傾向も確認された。週に1回以上電子コミックを購入するヘビーユーザーは、「増えた」が36.4%となり、「減った」の26.6%を上回っている。電子コミックが単行本の購入を促すという相乗効果も現れている。[高橋克則]「電子コミックビジネス調査報告書2012」9月27日発行/http://www.impressrd.jp/news/120925/ecomic2012発売日: 2012年9月27日(木)価格: CD(PDF)版 60,800円(税込)CD(PDF)+冊子版 71,400円(税込)判型: A4判ページ数: 124ページ
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