『バイオハザード ディジェネレーション』 世界に向け放つCGフィルム 神谷誠監督インタビュー | アニメ!アニメ!

『バイオハザード ディジェネレーション』 世界に向け放つCGフィルム 神谷誠監督インタビュー

インタビュー

『バイオハザード ディジェネレーション』
  • 『バイオハザード ディジェネレーション』
(インタビュー:2008年11月)


『バイオハザード ディジェネレーション』 世界に向け放つCGフィルム
神谷誠監督インタビュー


1996 年に発売されて以来、全世界で3500 万本超という驚異的なセールスを記録した「バイオハザード」。シリーズ初のフルCG 長編作品として10 月に『バイオハザード ディジェネレーション』が先行劇場公開された。
劇場は連日満員のヒットとなっただけでなく、その迫力の物語と映像に高い評価が寄せられている。
この作品を生み出した神谷誠監督に、『バイオハザード ディジェネレーション』の映像と物語について伺った。


■神谷 誠 (かみや まこと)
1965年、東京都生まれ。特撮助監督として多数の映画に参加。平成の『ゴジラ』、『ガメラ』シリーズの特撮助監督、『ホワイトアウト』(2000)、『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』(2001)の特殊技術、『Avalon』(2001年)の特殊助監督などを務めた。『亡国のイージス』(2005)、『日本沈没』(2006)などの特撮監督。2007年に 『 真・女立喰師列伝 / 「 歌謡の天使 クレープのマミ 」 』 でて脚本 / 監督デビュー。
今回は、『バイオハザード ディジェネレーション』で監督を務める。


■ アクションを意識して作られた作品 

アニメアニメ(以下AA)
最初に『バイオハザード ディ ジェネレーション』の印象から伺っていいですか。
作品が当初発表された時には、ホラー映画かなと思ったのですが、実際にはゲームのテーストを残しながらかなり格好いいアクション映画になっているなと感じました。

神谷誠監督(以下神谷)
そうですね。基本的にはホラー映画でなく、アクション映画ですね。アクションで物語が進行する映画なので、かなりそれを意識して制作しています。

AA  その物語ですが、日本映画離れした歯切れの良さを感じます。

神谷
脚本に関しては菅正太郎さんとのディスカッションで、アクションが物語と融合しているものというのを話していました。
もともとのゲームも好きでしたし、エンタテイメント指向というのはありましたね。自分が観て楽しい映画というのをまず考えました。


■ 『ディジェネレーション』はリアル指向CG

AA
今回はCGでの表現が素晴らしかったのですが、技術的に一段上かなと思いました。人の表情や髪の毛の一本まで描いています。『バイオハザード ディジェネレーション』のCG技術は、今までよりもあがっているのですか?

神谷
それは技術があがったというだけでなく、映像へのアプローチの違い、見せ方の違いです。
例えば『EX MACINA』等ではトゥーンシェーディングという、従来のアニメーションに近い手法で制作しています。『ディジェネレーション』では、これ等とは違ったリアル指向の仕上がりを目指して制作しています。

それは技術的にはなかった訳ではなく、これまでリアルなキャラクターが、敬遠されてきただけなんだと思います。
ハリウッドでも、ピクサーのようなかわいいキャラクターのアニメーションがほとんどで、最近の作品でリアルなCGキャラクターを目指しているのは、ロバート・ゼメキスの『ベオウルフ』位じゃないでしょうか。

AA
すでに『バイオハザード』シリーズは、ゲームムービーとしてCGアニメーションになっていますが、これについてはどうですか。

神谷
ゲームのCGはすごく進歩していますよね。ハードのスペックが進化しているから。PS2からPS3に移る段階でクオリティーがすごくあがった。
そういう意味では、今回の映画で難しかったのは、ゲームムービーよりクオリティーを落せないということだったと思います。

AA  映画とゲームの作品としての違いはあるのでしょうか。

神谷
ゲームは全ての映画のライバルですね。映像を楽しむメディアの違いでしかないと思います。


■ 海外展開出来る作品として作られた

AA
今回の映画は世界的に人気の高いゲーム『バイオハザード』を原作としています。ワールドワイドでもかなり人が観ると思います。世界という視点は意識されていたのですか。

神谷
ソニー・ピクチャーズさんが、海外でも展開出来るものというのがまずありました。
今回の製作発表も、アメリカ・サンディエゴのコミコンインターナショナルで行ったのですが、その時の現地のファンの盛り上がり方に凄いものがあり国外での人気の高さを実感しました。

AA  制作の現場でもそれは反映されていますか。

神谷
モーションキャプチャのために、アメリカから日本に俳優を呼んで収録しています。これはキャラクターの動きが海外の人から見て違和感がないように考慮したものです。

AA
そうした経験を踏まえて、今後日本の映画が海外に出て行けると思いますか。

神谷
そろそろ日本の映画も本格的に世界に向けて発信していったほうが良いと思います。
今や、香港映画や中国映画、韓国映画なども、世界に向けて発信しています。そうした中で、それぞれの映画界がレベルアップしてきていると思います。
そうした映画が世界に広がることで、映画は底上げされているわけです。


■ 今後は面白いエンタテインメントを目指す

AA そうした中で日本の映画の現状はどうなっているのでしょか?

神谷
日本は映画製作において海外での上映を前提にしていない。鎖国状態にあるわけです。もっと海外配給を前提にした、映画製作を考えてもいいんじゃないかなと思います。

AA
そうしたなかで今回の『バイオハザード ディジェネレーション』 が、ひとつの良い例となると考えてもいいですか?

神谷
日本でも、日本人が日本にいながら、世界を目指せるといいですよね。これからもそうした作品を作って行きたいと思います。

AA
今回の『バイオハザード ディ ジェネレーション』の経験を活かして、今後どの様な作品を作って行かれますか。

神谷
面白いエンタテイメントを作りたいですね。難しいことは考えないことです。日本では単純なエンタテイメントは少ないですから。

AA  今後の作品を楽しみにしております。本日はありがとうございました。


『バイオハザード ディジェネレーション』
公式サイト http://www.biohazardcg.com/

【STAFF】
監督: 神谷誠
脚本: 菅正太郎
プロデューサー: 小林裕幸(カプコン)
CG 制作: デジタル・フロンティア
エンディングテーマ曲: 「GUILTY」/土屋アンナ
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