1月24日に、第84回米国アカデミー賞の候補作品が発表された。数々の話題作、ヒット作が並び、映画賞レースシーズンを盛り上げる。 ノミネート発表では、映像の視覚技術を対象にした視覚効果部門の5作品も発表されている。『ハリー・ポッターと死の秘宝 part2』、『ヒューゴの不思議な冒険』、『リアル・スティール』、『猿の惑星:創世記』、『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』である。 選考は当初の対象作品を15作品に絞り込み、さらに10作品に絞られ、今回5作品がノミネート作品とされた。 最終的には、一作品だけが受賞作に選ばれる。しかし、競争が厳しいだけに、ノミネートの残ったこと自体が、それぞれの作品にとって意味のあるものに違いない。 また、ノミネート作品のなかには、視覚効果の現在のトレンドも垣間見える。近年、VFXの利用の広がりよって、VFX部門の選考対象リストに、SFやファンタジー以外の作品が入ることも少なくない。『ミッション:インポッシブル4』、『ツリー・オブ・ライフ』などである。しかし、ノミネート段階では、結局、SF、ファンタジーが大半を占めた。そうしたなかでは、ロボット格闘技を話の核に置いたドラマ『リアル・スティール』は異色かもしれない。 5作品のうち3作品が、シリーズ作品であることも注目される。ハリー・ポッター、猿の惑星、トランスフォーマーである。VFXは近年ますます技術が進化している一方で、観客を驚かす技術や映像表現の実現は、制作に投入出来る資金にも左右されがちだ。VFXに多額の投資を出来るのが、大ヒットを期待出来るシリーズ作品という側面も影響しているようだ。米国アカデミー賞 公式サイト /http://www.oscars.org/[米国アカデミー賞視覚効果部門(Achievement in visual effects)]■ 『ハリー・ポッターと死の秘宝 part2』■ 『ヒューゴの不思議な冒険』 11部門■ 『リアル・スティール』■ 『猿の惑星:創世記』■ 『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』
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