米国アニメーション映画賞レース「ランゴ」と「タンタン」が優位 | アニメ!アニメ!

米国アニメーション映画賞レース「ランゴ」と「タンタン」が優位

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 2011年は国内のアニメ映画が盛況だったが、映画の本場米国でもアニメーション映画の製作、公開が増え、人気を集めている。年末から年明け恒例の米国アカデミー賞をはじめとする賞レースでは、こうした映画が競い合う。
 最も関心が高い米国アカデミー賞は、受賞作品、ノミネート作品とも未発表だが、ゴールデングローブ賞、アニー賞は既にノミネートを明らかにしている。さらに、ロサンゼルスをはじめとする各映画批評家協会の長編アニメーション部門が決定している。ここからは2011年のアニメーション映画の動向が窺える。

 2011年末までの段階で、賞レースのなかで最も注目されているのは、パラマウント製作の『ランゴ』だ。現在までにナショナル・ボード・オブ・レビュー、ロサンゼルス批評家協会、ワシントンDC批評家協会、シカゴ映画批評家協会、サンフランシコ映画批評家協会などで受賞、最も多くのアニメーション賞を獲得している。
 『ランゴ』は西部開拓時代を思わせる舞台に、擬人化された動物キャラクターが活躍する。ジョニー・ディップら人気俳優が声優を務めるだけでなく、モーションキャプチュでも協力するなど俳優の魅力を全面に押し出した。また、技術もの確かさもあり大ヒット、パラマウントの自社アニメーションスタジオ設立決定を後押しすることになった。

 それに続くのが、スティーブン・スピルバーグがアニメーション映画を初監督する『タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密』である。『ランゴ』よりやや少ないが、トロント映画批評家協会、ニューヨークオンライン映画批評家協会でアニメーション部門を受賞した。スピルバークらしいカメラワーク、息をつく暇も与えないストーリー展開が魅力だ。
 数多くの映画があったにも関わらず、サンディエゴ映画批評家協会で『アーサー・クリスマスの大冒険』の受賞があったほかは、この2作品がほぼ賞を独占するかたちだ。『ランゴ』、『タンタンの冒険』の双方とも、モーションキャプチャを多用しているのも特徴である。動きを作ることを重視してきた米国のアニメーションへの考え方も変化しているようだ。

 一方、批評家協会の各賞とは異なるのが、アニー賞だ。アニメーション界のアカデミー賞とされる同賞は、国際アニメーション協会ハリウッド支部(ASIFA-Hollywood)が主催する。アニメーションの制作スタッフが中心となっており、同業者が受賞対象を選ぶ性格が強い。
 30を超える各賞では、『カンフーパンダ2』が8部門12ノミネート、『長いくつをはいた猫』が9部門9ノミネートとドリームワークス・アニメーションが圧倒的な強さ発揮する。ドリームワークスが強いとされる同賞で今回も再びその力を発揮した。
 さらに『ランゴ』も9部門のノミネートがある。『ランゴ』優位が続く流れを、アニー賞が覆すのか注目される。また、ディズニー/ピクサーの作品が弱いアニー賞の傾向も続いており、『タンタンの冒険』、『カーズ2』が、どこまで食い込むかも注目点である。

 ゴールデングロープ賞は、ノミネート5作品が発表されている。『タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密』、『アーサー・クリスマスの大冒険』、『カーズ2』、『長ぐつをはいたネコ』、『ランゴ』、いずれも大作映画として商業的に成功している。華やかな作品が選ばれる同賞の傾向が表われた。各賞の傾向を考えながらその違いを考えるのも、賞レースの楽しみかもしれない。
 そうした点からも、米国アカデミー賞は外せない。ゴールデングローブ賞と近い性格もあるが、最近は、海外も含めた、より映画的な作品がノミネートに選ばれる傾向が強まっている。現在は、18本の選考対象作品が挙がっている。受賞作はもちろんだが、ノミネート作品に『パリ猫の生き方:Une vie de chat』、『Chico & Rita』、『Wrinkles』といった海外作品が入って来るのかも注目したい。さらに長編アニメーション部門ほど設けられることがない、アカデミー賞の短編アニメーション部門も心にとめたいところだ。
《animeanime》
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