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今回、取り上げられたのは、『キスダム』だ。『キスダム』は2007年にテレビ放送を開始したSFアニメ、伝承者ネクロダイバーとなった哀羽シュウと人類の敵である異生物ハーディアンを巡る物語を描く。
作品は長らく映像パッケージ化されていなかったが、2011年に完全予約受注生産でBlu-ray BOX化、合わせてオリジナルストーリーによる新作映像も作られた。テレビ再放送もされるなど、2011年は再び『キスダム』が活気づき、今回の「サテライト★アニメナイト」にもつながっている。
しかし、今回の主役ともいえる佐藤英一監督は、「5年ぶりでない。5年間ずっと『キスダム』のことを考え続けていた」と熱く語りイベントがスタートした。
監督の熱い思いは、イベントの至るところに現れていた。当日のトークゲストは、メカニックデザイナーの森木靖泰さん、演出の鹿島典夫さん、美術の古宮陽子さんといった面々である。
通常のアニメ作品のトークイベントであれば、声優さんやアニメーターのゲストが多い。しかし、佐藤栄一監督は「今回は違うことをしたかった」と話す。それは、『キスダム』の制作とチームを紹介するというものだ。
それぞれのゲストの話を聴きながら、『キスダム』はどうやって生まれたのか、さらにアニメはどうやって生まれてくるのかを解き明かしていく。その中でメカニックデザイン、演出、美術、残念ながらゲストは来られなかったが撮影も含めた制作秘話が語られていった。そして、最後までトークを聞くと『キスダム』を作ってきたチームが、くっきりと浮かんでみえた。
そんなトークに耳を傾ける満員の会場は、熱気に包まれた。そして最後には、佐藤英一監督によるギターを弾きながらのライブが飛び出し、会場を驚かせた。トークに勝るとも劣らない監督の熱唱に、会場はさらに盛り上がった。
その後は、さらなるサプライズとしてステファニーさんが登場。本作のエンディングテーマであった「君がいる限り」をライブで披露。ファンにとっては、少し早めのクリスマスプレゼントになったのではないだろうか。
今回で2回目となった「サテライト★アニメナイト」は、数多いアニメ関連のトークイベントのなかでも特別な存在だ。イベントは制作スタジオであるサテライトが自ら企画するのが特徴となっている。
スタジオ直結ならではの内容の豊富さは勿論、会場には数多くのサテライトのスタッフもおり、アットホームさを感じさせる。まるでスタジオの飲み会に紛れ込んでしまったかのような印象すら感じる。
サテライトでは、今後、第3回以降の「サテライト★アニメナイト」も企画するとのことだ。どんな作品が飛び出すかも含めて、今後も注目だ。
サテライト /http://www.satelight.co.jp/