VIZ Mediaによれば、「SuBLime」の事業展開はデジタル出版と紙出版の双方を中心とする。新田祐克さんや直野儚羅さんといった人気作家の作品が登場する予定だ。 まず、ポータルサイトSuBLimeManga.comを立ち上げて、英語版のコミックをネット配信する。配信はダウンロード所有型となる。北米だけでなく世界の広い地域で購入が出来るとしている。 サービス開始は2011年12月、寿たらこさんの『SEX PISTOLS』、みなみ遥さんの『旦那様と蜜月中』を発売する。さらに2012年1月には草間さかえさんの『王様のベッド』、2月にはNitro+CHiRALによる『SWEET POOL』を予定する。紙出版は2012年春に刊行スタートを予定する。
VIZ Mediaは、小学館、集英社、小学館集英社プロダクション出資の米国企業として知られている。しかし、近年はキャラクターでは「初音ミク」、「豆しば」、アニメでは『TIGER&BUNNY』の展開を進めるなどグループ企業以外との連携にも積極的で、広い分野への事業拡張を目指している。 また、出版事業でもより多くの顧客のいる少年マンガや少女マンガだけでなく、青年マンガや日本SF小説などのニッチなマーケットに目を向ける。BLマンガも、そうしたジャンルのひとつとして進出することになる。
VIZ Mediaは今回のBL進出とアニメイト、リブレ出版との提携について、「YAOIマンガには数多くの熱心なファンがいます。SuBLimeの立ち上げは、こうした世界中のファンに歓迎されるでしょう」と話す。 一方で、これまでは大手が扱わない分野としてBLを手掛けてきた他の翻訳出版社にとっては手強いライバルの出現となる。今後、海外のBLマンガ市場が大きく動きそうだ。