中国でも賛否両論?「呪術廻戦」第3期、過酷なバトルロイヤルと深化する「死滅回游」 | アニメ!アニメ!

中国でも賛否両論?「呪術廻戦」第3期、過酷なバトルロイヤルと深化する「死滅回游」

今期、世界中のアニメファンから熱い注目を集めているアニメ『呪術廻戦』の第3期『死滅回游』。放送が始まるやいなや、再び多くのファンを熱狂にかき立て、SNS上で熱烈な議論を巻き起こしている。

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TVアニメ『呪術廻戦』第3期「死滅回游 前編」キービジュアル(C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
  • TVアニメ『呪術廻戦』第3期「死滅回游 前編」キービジュアル(C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
  • 呪術廻戦コラボカフェ(写真:合同会社Rouse  李啓源)
  • 呪術廻戦関連グッズ(写真:合同会社Rouse  李啓源)
  • 呪術廻戦関連グッズ(写真:合同会社Rouse  李啓源)
  • 『呪術廻戦』「死滅回游」スーパーティザービジュアル
  • TVアニメ『呪術廻戦』第3期「死滅回游 前編」ティザービジュアル another ver

今期、世界中のアニメファンから熱い注目を集めているアニメ『呪術廻戦』の第3期『死滅回游』。放送が始まるやいなや、再び多くのファンを熱狂にかき立て、SNS上で熱烈な議論を巻き起こしている。

『呪術廻戦』は、熱血バトル、呪術というファンタジー要素、そこに深い人間性の探求を融合させた作品だ。精彩なストーリー、個性豊かなキャラクター、視覚を刺激する映像表現により、今までのアニメシリーズで無数のファンの支持を集めてきた。

『呪術廻戦』「死滅回游」スーパーティザービジュアル

ファンが長らく『呪術廻戦 死滅回游』のアニメを待ち望んでいたが、評価は賛否両論である。渋谷事変後のストーリーを引き継ぐ重要な章として、今期は高い情報密度、残酷なサバイバルゲーム設定、さらに複雑化したキャラクター関係により、視聴者の激しい議論を呼んでいる。

まず、視聴者が『呪術廻戦 死滅回游』を称賛する点をまとめると、主に以下のように要約できる。

・ 鮮やかに情報が詰め込まれたOP
新キャラクターたちがどのような術式を持っているかを想起させるカットのほか、歌川国芳の浮世絵、エゴン・シーレ、ピーテル・パウル・ルーベンスといった絵画のオマージュも随所に組み込まれている。これまでのMAPPAの映像センスに加え、考察もしたくなる情報も多く、非常にハイクオリティな映像に仕上がっている。中国のファンからは「芸術と暴力の完璧な融合」と呼ばれた。

・ 戦闘シーンの前作超越
第1期放送時より、臨場感あふれる戦闘シーンに定評があった本作だが、MAPPAはさらに力を入れた作画や演出に挑戦しているとの声が上がっている。第3期の1話にあたる48話「執行」での虎杖悠仁、脹相、乙骨憂太、禪院直哉の戦い、第51話「葦を啣む」での禪院家での戦いなど、これまでにないアクションを“デザイン”しているような、演出が称賛されている。

・ サブキャラクター群像の出色な描写
視聴者が放送以前より期待を募らせていた禪院直哉だが、声優による演技や、マンガでは表現されなかったアクションの余白の見せ方などにより、以前に増してファンが盛り上がりを見せている。また、個性豊かな呪術高専の秤金次、星綺羅羅をはじめ、来栖華、鹿紫雲一といった新たに登場する“過去の術師”がどのような活躍を見せるのか、注目が集まっている。

・ ストーリーテンポの調整
渋谷事変編の連続的なクライマックスに比べ、今期は「緩急ある」物語の進め方を採用しており、激しい戦闘の合間にキャラクターの回想や戦略討論を挿入している。一部の視聴者は、このほうが「複雑な設定を理解しやすい」と感じている。

・ 道徳的グレーゾーンの探求
多くの視聴者が、今期の「正義と生存」という命題への深い探求を評価している。虎杖悠仁の「人を救うには人を殺さなければならない」というジレンマにおける心理的葛藤は、「トロッコ問題」に関する現実的な思弁を引き起こした。

一方、視聴者が第3期に対して不満を抱く点は、主に以下の2つの部分に集中している。

・ 情報量過多の問題
多くの視聴者、とくに原作未読の視聴者が、冒頭数話は「ペースについていくのが難しい」と反応している。「死滅回游」のルール説明、大量の新キャラクターの登場、複数のルートの並行進行により、一部の視聴者に「理解する疲労」を引き起こしている。

・ 演出への過度な期待
アニメでの心理描写や背景と人物の構図などの演出において、原作ファンの不満を招いている。だが、アニメとマンガではどう見せるかも必ず変わってくるものなので、過度な期待やイメージを持ちすぎたと考えられる。



総じて言えば、『呪術廻戦』第3期に対して、一部の視聴者から不満点はあるものの、称賛の声が圧倒的に勝っており、これは依然として成功した作品であるといえる。

『呪術廻戦』TVアニメ第1期は2020年10月に日本で初放送されたが、中国でもビリビリ(bilibili) によって2020年10月に同時配信された。その後、『呪術廻戦』はビリビリ以外のYouku(ヨウク)、テンセントビデオなどの中国主要動画サイトでも配信され、広範囲に視聴者を獲得する機会を得た。その再生回数やSNSでの議論も増幅し、一番人気の高いアニメと言っても過言ではない。

また、『呪術廻戦』が中国に導入されて以来、さまざまなコラボレーション活動を積極的に展開している。コラボカフェはその代表例であり、北京の「星萌メイドカフェ」、上海の「萌果ジャムグッズカフェ」などは多くのファンが訪れた。

呪術廻戦コラボカフェ (写真:合同会社Rouse  李啓源)

『呪術廻戦』の関連グッズもさまざまなかたちで中国で取り扱われている。コミックスをはじめフィギュア、バッジ、アクリルスタンド、カードなど、グッズを集めているファンも多い。

呪術廻戦関連グッズ (写真:合同会社Rouse  李啓源)
呪術廻戦関連グッズ (写真:合同会社Rouse  李啓源)

2025年4月、日中文化観光部門が協力する「日中アニメツーリズム計画」では、さらに『呪術廻戦』を重点テーマルートの一つとして掲げ、中国の若い観光客が日本を訪れて体験することを目的としている。

なぜ『呪術廻戦』は日本だけでなく、中国にも膨大なファン層を抱えているのか? 考えた結果、主な原因は、王道少年マンガの枠組みの中に、暗く残酷な生存哲学の探求を融合、さらに五条悟のような魅力を持つキャラクターを創造し、「無敵=完璧」という設定を打ち破った点にあると思う。さらに、『呪術廻戦』において「正しい死とは何なのか」という葛藤は、現代の若者が現実のプレッシャーに直面するときの複雑な心境と合致している。

総じて言えば、『呪術廻戦』は中国において、アニメそのものを超え、商業、青年文化、コミュニティ、国際文化交流を結びつける複合的な結節点となっている。それはグローバル化時代において、強力な文化IPがどのように現地の社会的土壌に根を下ろし、エンターテインメントを超えた幅広い対話を喚起するかを示している。

《李 啓源》
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