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本作は『ベルヴィル・ランデブー』で世界中から絶賛を浴びたショメ監督の7年ぶりの新作で、フランスとイギリスを舞台に老手品師タチシェフと少女アリスの心の交流を描いた。前作に引き続き世界各国で絶賛を浴びている。
このDVDとBlu-ray Disc発売を記念した特別試写会が9月15日に東京・スペースFS汐留で行われた。
当日はモデル、女優として活躍する杏さん、中島清文・三鷹の森ジブリ美術館館長がゲストとして登場。そして、上映されたばかりの『イリュージョニスト』の魅力について語った。
話は映画を配給するきっかけからスタートした。中島館長によれば、『ベルヴィル・ランデブー』の頃からショメ監督の次回作があれば是非、関わりたいと思っていたという。ただし、思っていた以上に次の作品が完成しなかったと打ち明けた。
また、杏さんは映画の魅力について、映画のセリフの少なさを挙げた。「せりふがほとんどないんですよね。だからこそ世界中の人に受け入れられたんだなと思いました。せりふがないのに、こんなに伝わるものがあるんだ、ということに衝撃を受けました」という。
さらに、「ひとつひとつのディテールをみていくと、細かいところの表情や、心の変化や成長を姿勢や目つきで描いているんです。言葉なしで描いているのが、本当に驚きと感動でした」。映画の細やかさ、丁寧さに惹かれた様子であった。
中島監督によれば、三鷹の森ジブリ美術館ライブラリーは、宮崎駿監督や高畑勲監督が影響を受けた作品、そしてスタジオジブリと同じ志を持ったスタジオや監督の作品を集めたものだ。これまでにも数多くの一風変わった作品、傑作が紹介されている。
その中でどの作品が好きかと杏さんに質問があった。答えはロシアの『雪の女王』である。「可憐な少女の恋、冒険たんがすごく好きです。大人になって何回みてもおもしろくて、良いものは次の世代にも託したいと思います」。また、『雪の女王』には『イリュージョニスト』にも通じる手書きの温かさがあると話した。
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『イリュージョニスト』
/http://illusionist.jp/
『イリュージョニスト』
DVD Blu-ray Disc 発売日: 10月8日発売・レンタル開始
発売元: ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
レーベル:三鷹の森ジブリ美術館ライブラリー