メディア芸術祭大賞決まる 「四畳半神話大系」、「ヒストリエ」など | アニメ!アニメ!

メディア芸術祭大賞決まる 「四畳半神話大系」、「ヒストリエ」など

イベント・レポート

director.yuasa.JPG 12月8日、今回で14回目を迎える文化庁メディア芸術祭の受賞作品が発表された。メディア芸術祭は、アート部門、エンターテイメント部門、アニメーション部門、マンガ部門の4つから構成されており、それぞれから大賞1作品、優秀賞4作品、奨励賞1作品の24作品、これとは別にメディア芸術の発展を顕彰する功労賞が設けられている。
 今回の応募作品数は4部門で2645、うち海外からは694で全体の26%程度を占める。多数の優れた作品群から選ばれるだけに、いずれも優れているだけでなく、他にない驚きに満ちたものとなっている。

 アニメーション部門では、テレビアニメシリーズ『四畳半神話大系』が大賞に輝いた。作品の監督は湯浅政明さん、第8回の『マイド・ゲーム』に続いて2回目の受賞となる。また、テレビアニメの大賞受賞は、今回が初めてとなる。他の分野に較べてテレビアニメの表現にはより制約が多いことを反映しているとみられるが、そうしたなかで斬新な表現方法を次々に繰り出した『四畳半神話大系』が高く評価されたと言えるだろう。
 8日にCG-ART協会で行われた受賞作品説明会の挨拶で、湯浅監督は「(『四畳半神話大系』は大賞を)とっても不思議はないレベルだと思っていた」と語り、当初からかなりの意欲を持って取り組んだ作品であることを窺わせた。
 
 このほか優秀賞には劇場アニメが2本『カラフル』(原恵一監督)、『マイマイ新子と千年の魔法』(片渕須直監督)が、短編自主制作アニメーション『フミコの告白』(石田裕康)、『わからないブタ』(和田敦)が選ばれている。いずれの作品も既に高い評価を確立しているだけに、受賞結果に多くの人が納得しそうだ。奨励賞には海外から唯一『The Wonder Hospital』(Beomsik Shimbe SHIM)が受賞した。フルCGアニメーションによるゴシックテイストの短編ホラーになっている。
 審査主査の古川タク氏は今回の選考について、「久々に審査員をやり、(メディア芸術祭の)応募作品が質量とも大きくなっているのを感じた」と語る。また劇場映画、OVA、短編アニメーション、テレビアニメから商業アニメ、アートアニメーションまで抱えるアニメーション部門を「総合デパート」の様と並列的に評価するのが大変だったとする。そのうえで、新しい見たことのないもの、いまの時代に作られた必然性などを基準にしたという。

 マンガ部門の大賞は、岩明均氏の『ヒストリエ』である。アレキサンダー大王の書記官となったエウメネスを主人公とした歴史マンガだ。前回の『ヴィンランド・サガ』(幸村誠)に続き、ヨーロッパ史を扱った作品である。優秀賞4作品もストーリー・マンガで、また大賞と3作品『孤高の人』(坂本真一/原案・新田次郎)、『風雲児たち 幕末編』(みなもと太郎)、『レッド』(山本直樹)は実話に基ずいたものである。物語性が重視されたようだ。
 優秀賞のもう1作品『ぼくらの』(鬼頭莫宏)は、「これまで数多くのロボットものがあったが、ロボットものの新境地を切り拓いた」と評された。奨励賞はコママンガの『うちの妻ってどうでしょう?』(福満しげゆき)である。
 功労賞もマンガ分野から選ばれた。マンガ編集者の栗原良幸氏である。同氏は雑誌モーニングの初代編集長などとして知られている。かわぐちかいじ氏ら数多くのマンガ家を育てただけでなく、フランス作品を初め、海外のコミックスを国内に積極的に紹介することでメディア芸術の振興に大きな役割を果たしたためである。

 アート部門では大賞を含め4作品が海外からの応募であった。Michel Decosterd氏とAndre Decosterd氏による巨大なインスタレーション「Cycloid-E」が大賞になった。
 エンターテイメント部門は、ウェブやゲーム、映像、パフォーマンスと幅広い領域を対象にする。そのなかからtwitterのフォロワーをキャラクターとして可視化する「IS Parade」(林智彦/千房けん輔/小山智彦)が選ばれた。シンプルかつユニークなアイディアが際立った作品だ。
 これらの作品は審査委員会推薦作品も含めて、2011年2月2日から13日まで開催される第14回文化庁メディア芸術祭にて紹介される。期間中は展示、上映、シンポジウムなどが行われる。
写真:湯浅政明監督

文化庁メディア芸術祭プラザ /http://plaza.bunka.go.jp/

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    (c)四畳半主義者の会
    『四畳半神話大系』 湯浅政明

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    (c)岩明 均/講談社
    『ヒストリエ』 岩明 均

受賞作品一覧

アート部門
大賞
『Cycloid-E』 
Michel DE'COSTERD / Andre DECOSTERD (Cod.Act)
優秀賞
『10番目の感傷(点・線・面)』 クワクボ リョウタ
『The EyeWriter』
Zach LIEBERMAN / Evan ROTH / James POWDERLY / Theo WATSON / Chris SURGUE / Tony TEMPT1
『NIGHT LESS』 田村友一郎
『The Men In Grey』 The Men In Grey
奨励賞
『Succubus』Peter TILG

エンターテインメント部門
大賞
『IS Parade』 林智彦/千房けん輔/小山智彦
優秀賞
『無限回廊 光と影の箱』 鈴田健/藤木淳/ 鈴木達也
『アルクアラウンド/サカナクション』 関和亮
『夏を待っていました/amazarashi 』 YKBX
『Tabio Slide Show』 
児玉 裕一/田中 耕一郎/茂出木 龍太/左居 穰
奨励賞
『iPad magic』 内田伸哉

アニメーション部門
大賞
『四畳半神話大系』 湯浅政明
優秀賞『カラフル』 原恵一
『マイマイ新子と千年の魔法』 片渕須直
『フミコの告白』 石田祐康
『わからないブタ』 和田淳
奨励賞
『The Wonder Hospital』Beomsik Shimbe SHIM

マンガ部門
大 賞
『ヒストリエ』岩明 均
優秀賞『孤高の人』坂本 眞一/原案・新田 次郎著『孤高の人』
『風雲児たち 幕末編』みなもと 太郎
『ぼくらの』鬼頭 莫宏
『レッド』山本 直樹
奨励賞『うちの妻ってどうでしょう?』福満 しげゆき

功労賞
栗原 良幸 少年マンガ編集者
《animeanime》
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