提携第一弾の事業として、シャンダゲームズはスクウェア・エニックスの開発したMMORPG『ファイナルファンタジーXIV』の中国本土における独占的販売の許諾を受けた。世界的な人気をタイトルで、中国有数のゲーム企業がビジネスを行う。日中のゲームビジネスの新たな取り組みとして、大きな注目を集めることになる。
シャンダゲームズは、オンラインゲームのビジネスで躍進した中国のゲーム企業である。世界規模でオンラインゲームのプラットフォーム創造に力を入れる。今回の提携ではスクウェア・エニックスの持つ有力コンテンツとシャンダゲームズが中国で持つオンラインゲーム事業のノウハウを結びつける。両社が手を組むことで、中国市場での事業拡大を目指す。
『ファイナルファンタジー』シリーズは、全世界累計9700万本以上を売上げる有力タイトルである。今回はシリーズ初の中国本土上陸となる。また、『ファイナルファンタジーXIV』の中国展開では、サーバーは日本や北米、欧州で用いられているサーバーとは別個サーバーを立ち上げる予定だ。サービス開始時期などについては、今後発表する。
スクウェア・エニックス・グループは、グローバル化を重点戦略の一つとして位置付けて近年海外展開強めている。2009年春には英国の有力ゲーム会社アイドスの買収で、北米とヨーロッパの事業を一挙に拡大した。今回のシャンダゲームズとの提携で、さらにウィングを中国本土に伸ばす。
16日午後にスクウェア・エニックスホールディングスの和田洋一代表取締役社長とシャンダゲームズの海外戦略担当の銭東海副総裁は、東京ゲームショウ2010で開催されたアジア・ゲーム・ビジネス・サミットのシンポジウムで同席をしていた。シンポジウムの開催は今回の合意発表前ということもあり、合意内容には直接ふれられていない。
それでもこの中で和田洋一氏は、ゲームのビジネスは文化が深まると他地域からの展開が不可能になる、それぞれの文化の空気を吸った人でないとビジネスが出来ないと、現地のスタッフによるビジネスの重要さを述べている。
そのためには海外ではパートナーシップが大切で、新規採用や海外企業の買収、事業提携はいずれもかたちを変えたパートナーシップで本質的には同じであると語った。そのうえで、中国は政治などであまりにも分からないことが多く、事業提携によるパートナーシップで信頼関係を築くしかないのだとしていた。
一方、銭東海副総裁は、ゲームビジネスのパートナーシップはオンラインゲームとコンソールゲームでは異なる。コンソールゲームは売り切りだが、オンラインゲームは4年、5年さらに長い期間を付き合わなければいけない。結婚のようなものと例えた。
重要なのは継続的なコミュニーケーション、自社だけでなく、自社の背景にある中国の独特の市場を理解出来ること、会社の大小でなく同じ目線で語れることが海外企業とパートナーシップを組む条件と述べていた。
スクウェア・エニックス・ホールディングス
/http://www.square-enix.com/
シャンダゲームズ(盛大遊戯有限公司:Shanda Games Limited.)
/http://www.ShandaGames.com
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写真: 東京ゲームショウ2010 アジア・ゲーム・ビジネス・サミット