
角川氏は「Bringing Japan’s Content to the World-Think Globally Act Locally」と題した基調講演の中で、日本アニメについての自身の見方と戦略、海外に展開するうえで何が求められているかを論じた。
角川氏は日本のアニメを3つのカテゴリーに切り分ける。ポケモンやドラえもんに代表されるキッズ向け、そしてガンダムなどのヤングアダルト向け、そして同社が最近手掛け大ヒットとなった『サマーウォーズ』のようなファミリー向けである。
これらのバリエーションを前提に、日本のアニメはストーリーがより深く、キャラクターが多様であるとする。そして、そうした日本のアニメの特徴をガラパゴス化と表現する。これは通常使われる悪い意味でなく、他者との違いを積極的に評価出来るという点からである。
さらに講演は、インターネッと著作権の問題に移る。角川氏はこうした個性的な日本アニメが世界に広がった理由を、作品がインターネットによりリアルタイムで伝わったためと考える。
しかし、インターネットの力を評価する一方で、これだけの人気があるのに日本のアニメは産業として十分お金になっていない、企業、クリエイター、ユーザー全てがWin-Winの関係になる必要があるのでないかと主張する。
こうした考えはこれまでも少なからず主張され、いまだ解決策が見つかっていないものである。ここで角川氏は、Youtubeはコミケと同じ、マッド動画などは認められるのではないか、それを合法化する仕組みが必要と述べる。
その一方で、著作権法については、個々の国での取り組みは難しい、世界共通に対応出来ることが必要なのでないかと提案する。二次創作はかなり認めたうえで、著作権法の違法行為については、世界レベルで対応すべきとの考えのようだ。
動画の著作権に関する問題は、現在、世界各国で深刻な問題を引き起こしている。角川氏が、国内でなく海外でこうした発言を行ったことは日本だけでなく海外の関係者にとっても意義深いものである。
アニメーション・アジアコンファレンス2009(Animation Asia Conference)2009
/http://www.afa09.com/aac.html