
今回は開催地の浜松が音楽関連・楽器メーカーの集積地であることに合わせて、展覧会のテーマを「音」とした。昨年度のメディア芸術祭エンターテインメント部門大賞を受賞した新世代の電子楽器TENORI-ONをはじめとして、歴代受賞作品の中から特に音に関連するメディアアートやアニメーション、マンガ、ゲームを集めたユニークなイベントとなる。
様々な企画が用意される文化庁メディア芸術祭浜松展だが、アニメファンに注目を集めそうなのは11月3日に開催されるシンポジウム「音楽がアニメーションをどう変えるか Animation Metamorphoses」である。
ゲストには『カウボーイビバップ』、『攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX』シリーズ、『マクロスF』、『∀ガンダム』などで知られる音楽家の菅野よう子さんが登場する。菅野さんは作曲や編曲、プロデュースなどを広く手がけるが、特にアニメ音楽分野の活躍で人気が高い。
さらに菅野よう子さんが音楽を提供した『カウボーイビバップ』の渡辺信一郎監督、『攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX』シリーズの神山健治監督も登壇するなどかなり豪華な顔ぶれだ。
司会は佐藤大さんが行う。佐藤大さんは『カウボーイビバップ』、『攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX』の主要スタッフであるだけでなく、自らも音楽活動を行っている。アニメと音楽を結ぶ、かなりディープな話題が取上げられそうだ。
シンポジウムの申し込みは、ウェブもしくはハガキで行う。10月12日必着となる。詳しい内容は文化庁メディア芸術祭の公式サイトで確認出来る。
また期間中は、今回のゲストが制作したアニメ3作品が上映される。『Genius Party』、『カウボーイビバップ 天国の扉』、『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society』である。
展示ゾーンは、「Zone1-音を奏でる」、「Zone2-音を読む」、「Zone3-音を観る」と3つのテーマゾーンに分けられる。このうちZone2はマンガが主体になり、日本のマンガの中に見られる音楽の表現を紹介する。『NANA-ナナ-』や『のだめカンタービレ』、『ピアノの森』、『プライド』といった作品が取上げられる。
文化庁メディア芸術祭は、これまでにも様々な巡回展を行っている。しかし、それぞれが本イベントの単なる写しでない特徴を持っているのが魅力となっている。今回もそうした、テーマ性が活かされたものとなりそうだ。
文化庁メディア芸術祭 浜松展 /http://plaza.bunka.go.jp/hamamatsu/
会期: 2009年10月30日(金)~11月3日(火・祝)
会場: 静岡文化芸術大学 ギャラリー・文化芸術研究センター
入場: 無料
主催: 文化庁
共催: 第24回国民文化祭静岡県実行委員会、静岡文化芸術大学、CG-ARTS協会