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これまでは、日本で唯一の立体アニメーション(人形などを利用したストップモーションアニメーション)の制作教育などで注目を集めてきた。既に在校生が本格的な作品制作に取り組むなどの成果を見せている。
このアート・アニメーションのちいさな学校が、9月から個性的かつ専門的な実習講座を開講する。新しい講座のテーマはそれぞれ、「背景美術」、「色彩設計」、「作画」、「アニメーション監督」である。
「背景美術」と「色彩設計」は共にアニメ制作の重要パートだが、これまで独立して教授されることが少なかった分野である。
背景美術は、「絵映舎(山本二三、稲葉邦彦、日野香諸里)「背景美術」〜想像の世界を描く〜」と題して、2006年に設立した背景スタジオの絵映舎が講師となる。『天空の城ラピュタ』や『もののけ姫』などのスタジオジブリ作品、『時をかける少女』で知られた山本二三さんが若手の育成に力を注ぐ。
色彩設計は、「保田道世「色彩設計」〜一滴の絵の具から〜」。アニメに使われる色彩は、作品ごとのイメージに合わせて厳密に管理されている。そうした仕事は意外に知られていないが、作品制作に欠かせないものである。今回はスタジオジブリ創設以来、ほとんどのジブリ作品の色彩設計を担当してきた“アニメーションの色職人”保田道世さんが教壇に立つ。
作画と監督もちいさな学校ならの充実の講師陣となっている。「才田俊次「発想の作画術」〜アニメーターのアイディア発想力が作品をおもしろくする〜」では、オープロの創設メンバーでもある才田俊次さんが指導をする。映像表現で評価の高い『セロ弾きのゴーシュ』の全原画を手がけた才田さんが、アニメーターの発想法について明らかにする。
「「アニメ−ション監督術」~我々はいかにして作品を作ってきたか~」は、実力派の監督が次々と演出方法を語る豪華な講座である。講師陣は大地丙太郎さん、佐藤順一さん、原恵一さん、杉井ギサブローさんほかとされており、演出家を目指す人意外でも大いに興味をそそられるものになるだろう。
これまでの木村威夫さんの「「立体アニメーション美術制作」〜日本映画美術界の大御所の直伝!〜」も引き続き開講する。ほかにはない立体アニメーション美術を、イメージ画制作と講評を繰り返すことで教授する。
各講座はいずれも9月開講、3月まで11講座を予定する。週末や夜など社会人にも参加し易いカリキュラムになっているのも魅力である。講座の受講料は「アニメ−ション監督術」のみ全回通し16500円(当日1800円・学生料金別にあり)となっている。他は全11回で50000円から55000円、別に材料費がかかる場合がある。
アート・アニメーションのちいさな学校
/http://www.laputa-jp.com/school/index.shtml
9月開講アニメーション実習/講座
/http://www.laputa-jp.com/school/new_lec.html