7月29日に発表された米国のエンタテインメント企業ナバレ(Navarre Corporation)の2009年第1四半期(09年4月~6月)の決算が減収増益となった。売上高は減少したものの利益の伸び率が大きく、特に日本アニメ事業子会社のファニメーション(FUNimation Entertainment)の好業績が貢献した。 ナバレの売上高は前年同期の1億4200万ドルから5%減少の1億3430万ドル、前年は280万ドルだった営業利益は137%増およそ2.4倍の650万ドルに急伸した。同様に純利益も63万ドルから420万ドルに大幅に増えた。 米国景気は底を打ったとの見方が強まっているとはいえ、いまだ停滞色が強い。そうしたなかでの今回の業績回復は、ナバレの経営陣に今後の見通しに対する自信を与えるのに十分であろう。利益の増加についてCEOのカリー・デーコン氏は、全ての事業領域で収益が回復しており、経費削減効果が発揮されたとしている。 一方で、特に予想を大きく上回った事業として、ファニメーションに言及した。同社のDVDの売り上げが予想を上回ったという。さらにバンダイナムコゲームス アメリカから得た『ドラゴンボール』のゲームソフトのライセンス料の前払い金175万ドルが、利益を押し上げた。 ファニメーション事業が含まれるパブリッシング事業の売上高は2490万ドルである。これは前期の2740万ドルから9.3%の減少となる。 売上高の減少は昨年暮れに事実上事業撤退したBCI部門によるもので、こうした要因を除外すると実際には440万ドルの増加となる。今期のパブリッシング事業はファニメーションとPCソフトのアンコール事業とで構成されるが、その増加分のほとんどはファニメーションによるものと考えられる。この結果パブリッシング事業の営業利益は340万ドルから610万ドルに伸びた。 今回のナバレの決算は、深刻な不況が続いている米国の日本アニメ映像事業の見通しにもポジティブなものだ。ファニメーションは北米の日本アニメDVDの市場でおよそ半分のシェアを持っているとされるから、同社のDVD事業の復調は日本アニメDVDの復調とも結びつけることが出来る。 米国のポップカルチャー業界情報のICv2は今年6月に、2009年1月から3月の日本アニメDVDの売上減少幅は前年比2%とし、市場の下げ止まりを報じている。ファニメーションの2009年4月-6月期の堅調さは、4月以降も北米の日本アニメDVDの売上が堅調だった可能性を感じさせる。米国市場の変化をみるためにも、ナバレとファニメーションの動向は今後も目が離せないものとなる。ナバレ(Navarre Corporation) /http://www.navarre.com/
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