コンテンツプロデューサーの育成を目指す東京ディストリビューション・オブ・コンテンツセミナー(TDCS)は、5月16日にゲーム界の大物遠藤雅伸氏を招いたワークショップ「TDCSゲームワークショップ」を開催した。 TDCSは東京・秋葉原を拠点に、映画やアニメ、ゲームなど様々なコンテンツ分野でクロスオーバーに活躍出来るコンテンツプロデューサーの教育を行う。この春にスタートしたばかりだ。今回のワークショップは、そうした活動と教育のプログラムの一端を紹介するものでもある。 TDCSは4月25日には、映画、アニメ、ゲーム、特撮と各界を代表するゲストを招いた大型シンポジウムを開催している。しかし今回は、それよりも実践的な内容として、やや異なる企画となっている。 第1回として開催された「TDCSゲームワークショップ」では、『ゼビウス』、『ドルアーガの塔』など数多くのゲームデザインやプロデュースなどを務めてきた遠藤雅伸氏がiPhoneアプリケーションを使ったゲームの企画について教授した。 このワークショップが、驚くほど充実したものになっていた。わずか半日のワークショップであるにもかかわらず、企画の立て方からプレゼンテーション、その評価までをまとめ、iPhoneアプリケーションゲーム企画の概要を理解出来るようになっている。 こうした充実した内容は、遠藤雅伸氏の力に負うところが大きい。専門の教育者かと思うほど、的確で歯切れの良い教授ぶりなのだ。 最初に1時間弱、遠藤雅伸氏がiPhoneアプリケーションゲームのトレンドや企画のための留意点を説明する。その後は、バラバラに来ている受講生を手際よくグループ分けする。次の瞬間には「最初はブレインストーミングです!」と声をかける。その瞬間にグループでは、企画に向けた作業が始まっているという具合だ。 さらに作業中は、教室を回りながら、それぞれのチームをかなり細かくサポートする。少人数のワークショップだからこそ可能な方法だ。 また、受講生もかなり積極的だ。ほとんどが初対面にもかかわらず、グループに分けられると直ぐに議論が始まっている。そして、ワークショップの終わりには、プレゼンを協力して行っている。質問の数も多く、非常に活発なワークショップになっていた。 ワークショップの見どころは、プレゼンテーション後の遠藤氏の講評だ。講義中はニコニコと気さくにアドバイスをしていたが、ひとつひとつの企画には厳しい講評を下す。ただし、それは否定ではなく、問題点の指摘、その解決策はどの方向に向うべきといったものである。遠藤氏の人柄が表れたものだ。 ワークショップは13時から17時まで、およそ4時間にも及ぶ。しかし、ワークショップの盛り上がりは、そうした時間を感じさせないものだった。一方で、終わってしまうと、わずか半日とは思えない、充実の内容でもある。 TDCSは、今後もワークショップやセミナーを予定しているとのことである。5月23日には株式会社ゴンゾ常務取締役内田康史氏を招いた「TDCSアニメーションビジネスワークショップ」を開催する。東京ディストリビューション・オブ・コンテンツセミナー(TDCS) /http://www.tdcs.jp/