数多くのクリエイターを招いたパリ ジャパン・エキスポのなかでも、マンガ原作者小池一夫氏の存在は際立っていた。手塚治虫氏や石ノ森章太郎氏らと並ぶ日本の戦後マンガの第一世代の一人で、そうした創成期のマンガの状況を語れる数少ない人物のゲスト参加であるからだ。 また、小池氏は、今回のジャパン・エキスポの開催で、最も活躍したクリエイターでもある。フランス側の要望から実現した日本のマンガ家の複製原画展「キャラクターアートMANGA パリ展」主催の委員長も務めている。 小池一夫氏は日本国内ではマンガ原作者としてだけでなく、小池一夫劇画村塾を通じたマンガ家の育成でもよく知られている。今回、初日7月3日に開催された講演でも、マンガの描き方、キャラクターの作り方といったマンガのクリエイティブの方法論を中心に語った。 例えば、キャラクター作る際には必ず弱点を作ること、キャラクターは1人では動かないから2人以上必要になるといったことなどだ。そして、フランス人でも劇画村塾に来れば、マンガの描き方を覚えられますと、これまでの教育の実績も紹介した。 一方、フランス人ファンからマンガの描き方について質問があると、日本のマンガのマネをする必要はない、フランス人はフランスのマンガを描くべきと、自身のオリジナルを描くことの大切さを強調していた。 講演のなかでは、世界に広がるマンガの海賊版問題にも大きく触れた。小池氏はこれまで世界各国でサイン会を行って来たが、サイン会にも海賊版の作品を持ってくるファンが少なくないと話す。 そうしたなかで小池氏は、自分は本物の自分の本にしかサインをしないという。文句を言われることもあるが、そうした行動を取ることで、2度目からは海賊版の数は激減する。マンガ家の権利保護に熱心な小池氏ならではのエピソードである。 このほかにも講演は、歯切れよい切り口で次々に話題を変えっていた。テーマはモバイルやインターネットの電子書籍、第5世代のマンガ家に新たな才能が求められていることなど、幅広い分野に及び聴衆の興味を駆り立てた。 また、今回の講演会で特に目を惹いたのは、取材のメディアの数が一際多かったことである。そこからは、アニメやマンガ関連だけでなく、幅広いメディアが取材を行っている様子が見て取れた。日本マンガ界の巨匠に対するフランスの大きな関心を感じさせるものであった。ジャパン・エキスポ(パリ)公式サイト /http://www.japan-expo.com/ 日本語情報 /http://www.eurojapancomic.com/fr/japanexpo.shtml
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