3月27日から始まった東京国際アニメフェア2008の東宝ブースでは、OVAの詳細とともに劇場版のプロモーション映像が上映されているほか、主人公の衣装やギターが展示されている。実写とアニメの同時プロモーションを展開する様子が伺える。

同作は若杉公徳さんによるデスメタル・ギャグマンガだ。主人公はオシャレなスウェディッシュポップを愛する青年・根岸崇一。二重人格の彼は、なぜかデスメタルバンドのデトロイト・メタル・シティ(DMC)で「ヨハネ・クラウザーII世」として強制的に歌わされる。
夢とは裏腹に過激な歌詞とパフォーマンスに才能を発揮する主人公と、彼を取り巻く個性的なキャラクターたちがカルトな人気を誇る作品。
監督には、ファン・批評家からも非常に評価の高いアニメ『蟲師』の長濱博史さんを迎え、このカルト的な人気作品を映像化する。
美術監督を『ルパン三世 カリオストロの城』ほか数々の名作を手がけた小林七郎さんが担当するなど豪華スタッフ陣で送る。また制作が個性的な作品を次々に送り出す STUDIO4℃というのも注目である。
さらに今回話題となるのは、実写版のメインキャストから松山ケンイチさんが劇中劇『ノ・ビーレ』の外園誠役で出演することだ。加藤ローサさん、李闘士男監督も声の出演をする。
このほかアニメ版ボイスキャストには、「クラウザーさん」のキャストを二重人格に合わせ、うえだゆうじさんと岸尾だいすけさんによるダブルキャストとする。また、俳優の竹内力さんがライバルバンドのジャック役で出演するなどアニメのほうも映画に負けない豪華キャスト陣である。
OVAでは原作の1巻・2巻の24話分をアニメ化する予定である。今回OVAという媒体を選んだのは、原作の持つ過激な歌詞を忠実に再現するためである。アニメフェアで公開されているプロモーション映像では、それらの単語はピー音で隠されていたが実際に発売されるOVAでは無修正で収録されるという。
音楽はオープニングテーマが、DMCによる『SATSUGAI』、エンディングテーマは根岸崇一の『甘い恋人』と凝っている。このほかDMCの数々の名曲や原作に登場したライバルバンドの楽曲も収録される。映像面でも『グロテスク』の撮影シーンが原作通りの過激な演出で再現されるなど、ファンの期待に応える作品となりそうだ。
デトロイト・メタル・シティ OVA・映画公式サイト /http://www.go-to-dmc.jp/
デトロイト・メタル・シティ 原作公式サイト /http://www.younganimal.com/dmc/

デトロイト・メタル・シティ OVA
【スタッフ】
原作: 若杉公徳(ヤングアニマル連載)
監督: 長濱博史
作画監督: 島村秀一
美術監督: 小林七郎
音響監督: たなかかずや
アニメーション制作: STUDIO4℃
製作:東宝・白泉社・SME・Beyond C.
【キャスト】
ヨハネ・クラウザーII世: うえだゆうじ
根岸崇一: 岸尾だいすけ
ジャギ(和田真幸): 中野裕斗
カミュ(西田照道): 保村真
外園誠: 松山ケンイチ
中野花江: 加藤ローサ
沢井"スペルマン”剛: 李闘士男
ジャク・イル・ダーク: 竹内力
ほか