小島正幸監督と宮迫博之さんを若々しい俳優が取り囲むかたちとなり、成長期の子どもたちが活躍する映画さながらの明るい雰囲気となった。また舞台に立った俳優陣は、それぞれが映画のキャラクターをイメージした服装で登場。上戸さんはボーイシュな姿、神木さんはシャツにネクタイ、池脇さんはチャイナドレス、福田さんはピアノの発表会のイメージ、さらに宮脇さんはスーツ姿であった。
声の出演だけとは思えないキャラクター通りの姿に、小島監督がこのまま実写映画が撮れそうと驚くほどであった。
主人公・海役の上戸さんは、「はじめて男の子役だけれど、ありのまま作らずにと話されてやりました。それでも気づかぬうちにボーイシュになって驚いた」とアフレコの様子を紹介した。主人公の親友となる修平役の神木さんも「思ったより低い声になっていたが、それが役にあっていると言われた」と話していた。
また、20代で母親役の声を演じた池脇さんは「思い切った配役だと思いました。心に残る映画になって欲しい」と映画への思いを伝えた。さらに原作のファンだという福田さんは「はじめての声優がこの作品本当にうれしい」と喜びを隠せない感じであった。
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映画は「週刊モーニング」で一色まことさんが連載する人気マンガ作品『ピアノの森』をアニメ化したものである。映画は原作の持つ骨格のある物語を活かしながら、マンガでは実現出来なかったピアノの音を再現している。
このピアノの演奏とミュージックアドバイザーを、世界的に著名なピアニストのウラディーミル・アシュケナージさんが行っている。映像と伴に劇場で聞く様々なピアノ曲は、クラシックファンでなくとも十分楽しめる。
またアニメ制作は『時をかける少女』や『パプリカ』など、劇場アニメの話題作を矢継ぎ早に送り出すマッドハウスが担当している。『ピアノの森』もこれらに続く話題作となりそうだ。
劇場には映画好きのカップルから、多数の親子連れ、アニメファンまで、驚くほど幅広い観客が訪れていた。この映画が世代を超えて多くの人から愛される作品になることを感じさせた。
ピアノの森
公式サイト /http://www.piano-movie.jp/
丸の内プラゼールほか全国大ヒット上映中
原作: 一色まこと(講談社「モーニング」連載)
監督: 小島正幸
脚本: 蓬莱竜太
キャラクターデザイン・作画監督: 藤田しげる
演出: 小山田桂子/鶴岡耕次郎
美術監督: 水谷利春 撮影監督:石黒瑠美
色彩設計:山本智子
ピアノ演奏・ミュージックアドバイザー: ウラディーミル・アシュケナージ
音楽:篠原敬介 音響監督:藤山房伸
サウンドデザイナー:小川高松
制作:NAS アニメーション制作:マッドハウス
製作:「ピアノの森」製作委員会
日本テレビ放送網/アサツー ディ・ケイ/松竹/バップ/マッドハウス/読売新聞/読売テレビ放送/ソニー・ミュージックエンタテインメント
配給: 松竹